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独立国家のつくりかた

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)
独立国家のつくりかた (講談社現代新書) 坂口 恭平

講談社 2012-05-18
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地政学極左です。増え続ける世界人口、パレスチナは不毛の砂漠の地を取り合っているし、南極に領土的野心をもっている人すらいるそうです。土地がタダ、ピースフルな響きとは裏腹に地獄です。タダだと殺し合いになるから所有権で守っているわけで、あのね、とか真に受けて説教する人はいないのでしょうか。

地図上の誰のものでもない白地地帯は独立国家である、とかいう詭弁が現代美術とかのトリックスターふうで、まさかの領土問題リンクすることは、ないので安心ですが、そういうこととは無縁なところに成立する文化保護区的な何かです。

革命とは違うような感じです。例えば所有権の不明な土地を使うのは、食べ物を作ろうというのではなくて、スーパーの廃棄品をもらおうというもの。多くの人が倣うようになれば、成り立たない矛盾した運動です。

都市型狩猟生活とか土地は誰のものでもないとか、左方面に煽りまくっています。しかし社会保障ゼロの世界という究極の右寄りでもあり、ヌエのような思想です。

ニュースだけ見ていると分からない、エリートホームレスの世界が書いてあります。ソーラー発電システムを自分で作るとか。欧米で、空洞化でスラム化した都心に、クリエイターをいれて再開発したり、アトリエ街にしたりとか、そういう動きがあって、そういう流れでしょうか。
それは中国の投資家が、チャイナマネーで日本の土地を買いあさる辺りまで射程に入れている、かどうか。

原発被害とホームレスをリンクさせるところとかは、かなり時代性というか。放射能汚染が怖いけど他に住むところがない人が疎開してきてテント村をつくったら、それはたしかに新しいというか。そこまで狙ってないと思うけど。
読んだ側がそこまで動かないことを想定して、書いたというか。本人はグローバルエリートというのもそうだし。
湯浅誠さんみたいな左翼の実力者が扇動して運動にしたら、言い出しっぺとして死ぬかもしれんで、誰かやってみて欲しいと思いました。放射能汚染から避難してきた人が路上を埋め尽くすとか。

働くのが面倒臭い人はホームレスになってしまってもいいかもしれません、以外と楽しいよ、という。不況がつきぬけて極論です。働いている人たちが読んで、壁に投げつけたくなるか、気が楽になるか、どうか、わかりません。

しかし実際はホームレスの世界にはきびしいオキテというか縄張りとかがあるらしいので、その辺はあやしいです。今ネットカフェ難民とか介護難民とか、路上が家と同じだったらラクでいいのにという層はたくさんいます。しかし、彼らがホームレス化することは日本の秩序では許されていない。本当は住人からクレームが出て排除されたり、ツライことはたくさんあるはずです。

子供はマネをしてはいけません。


子供に空き缶を投げられるとか、酔っぱらったサラリーマンにケリを入れられるとか、あると思いますが、それが一か月に一回くらいなら良いとか、どのくらいの頻度なのか、そういうリアルなことが書いてないです。というか、一切書いてないです。

実際に土地を喜捨してホームレスになる人がいて、現実が書いてあることと違っても、この人責任とらないと思うんですよ。その辺が株本とかのあやしさと、まさかの通底です。この本を真に受けるほど、日本人はそこまでヌケていないだろうと ナメてかかっているようなところがあります。リアルに切羽詰っている人向けではなく、左翼の運動をほほえましく見守ることが出来る層向けかもしれません。

この人はイザというときには警察権力とかのバックがあって、ホームレスの群れに囲まれたりしない自信があると伺えます。森永卓郎(年収300万本)とかに似ているか。

読んでいて途中で投げたくならなければ、そういう流れをつかむ本としてはオススメか。アジテーションのパワー、方向性ともに斬新です。

後半はサクセスストーリーになっていて、他のクリエイターさんの刺激になりそうです。

建築士の仕事をしているときに、日本はこのペースで家を建て続けると、1000万個余ってタダで暮らせるようになり、業界が潰れますが、良いんですか?みたいなことを周りの業界人に放言して、白い眼で見られたことがあるとか。

ホームレスで何が悪い、ということ自体が、むしろ推奨されてしまう時代に入ってきたのかと、感慨深いです。

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