ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

イギリス人はかなしい―女ひとりワーキングクラスとして英国で暮らす

イギリス人はかなしい―女ひとりワーキングクラスとして英国で暮らす (文春文庫)
イギリス人はかなしい―女ひとりワーキングクラスとして英国で暮らす (文春文庫)高尾 慶子

文藝春秋 2001-11
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ヨーコオノ、マークス敏子大嫌いとか、セックスアンドシティみたいなイイ女同士のバトル、人間模様が吹きます。

イギリス人の日本人妻になるでもなく、ワーキングクラスとして成功したことにプライドを持ち、それが本書のところどころに顔を出します。

外国人としてイギリスにいることに加えて、クラス感覚=カーストとか、シビアな感覚を持ちます。

とりあえずイギリスの生活情報が面白いです。

フラットの借り方とか、彼女はハウスキーパーのアルバイトをしますが、ユダヤ人一家はイヤミな人が多くて、あまり働きたくないとか。

はたまた雑誌の出会い系のコーナーで待ち合わせをしますが、イギリス人の名前で偽装しているけれど、黒人が多いとか、子持ちのオッサンとかが来るので、概してハズレとか。

彼女はワーキングクラスでも知性があり、主婦より少し目線高めか。ヴァンサンカンとかマリクレールとか、日本にはこういう筋の通った文化クラスタがないかもしれません。ワーキングクラスというより、キャリアウーマンというと、アエラとかかもしれませんが、日本では中途半端です。


序盤、イギリス人目線で、日本兵の謝罪がどうとか、日本の老人はマナーが最悪とか滔々と書き綴り、それでいて、原因などを分析しているわけではなく、ただ自分は国際人なのよといった風情だとアマゾン感想欄では反感を買っていました。それが逆に、バイリンガルの人たちの、立ち位置やアイデンティティの不安定さを窺わせます。

私も外人さんに戦争犯罪を詰られたら、当時の日本は悪い事をしました、すみません、と言ってから、小声で、でもね、アナタの国もやったよ、というくらいがせいぜいです。

逆バージョンとしては、安倍政権を支持するネット右翼などが、世界的に通用しない、日本人にしか通じない歴史観などを醸成して、日本の地位を不安に陥れていますが。

ダイアナはビッチとか、サッチャーはイギリスをズタズタにしたみたいな、カトリック目線のイギリスの時事ウォッチが入っています。ダイアナとか皇室を支持してるのは、ブルーカラーが多いそうです。

彼女は腕一本でイギリスの生活に馴染んでいて、上記のように日本人に配慮もしないので、生粋の日本人には、異質に感じるエッセイかも知れませんが、長期滞在者にしか分からないイギリスの細かい情報が良かったです。