ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

大人にはわからない日本文学史 (ことばのために)

大人にはわからない日本文学史 (ことばのために)
大人にはわからない日本文学史 (ことばのために) 高橋 源一郎

岩波書店 2009-02-20
売り上げランキング : 271609


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 


芥川賞も若い人が受賞したほうがニュースになります。

昔でいうと太宰治とか、そういうのは載っていません。

よくわからないですが、ここまで若者オンリーだと、大人(老人とか)の文学的挑戦には、あまり意味がないのだろうか。

最近の文学は意味不明、みたいなことを言う人が多いので、プッシュしてみただけか。ゆるキャラとか過剰に若さを売りにするのは、そのジャンルが衰退してきた証拠なのだろうか。昔は、子供や青年は、その辺にイモ洗い状態で放っておかれましたが。

 

彼、彼女たちの書くものは、恋愛とか貧乏とか女子高生の倦怠とか、分かりやすいテーマが多くて、ただ文体は洗練されています。

私は多くのことに興味関心を持つはずの、10代の人がそこまで専門技能に特化した文章力を持つことが信じられず、ゴーストライター?などと思ってしまう、邪心の持ち主かつアホです。

 

本書は、明治以降の文学史と今時のライターを並べて、フリーター、希望は戦争、丸山真男をひっぱたきたい、の赤城智弘と、働けど働けどわが暮らし楽にならず、ぢっと手をみる、の石川啄木を比較してみます。

遊郭の暮らしを書いた樋口一葉と、はみだしものの女子高生を書く綿谷りさを比較してみる、とかです。

心理描写や動きが、リアリズムが主流だった明治と、今の小説の書き方はどう変わってきたか。

 

大人には分からないというタイトルだけあって退屈しませんが。ライトノベルと化とは違う若い人の感性、メディア寄りな感じです。

若者にすり寄っているような内容でもないけですが、取り上げられているのは最先端といわれる人が多く、時代性があります。が、明治回帰か!という保守かにシンクロしているかもしれない、石原慎太郎がアレだし。

カウンターカルチャーなどを経験した、団塊にはつまらない日本文学か。

 

本書で例に挙げられるフロントランナーたちは、は革命を目指した昔の人と比べると、市場の顔色をうかがって売れ線ヒッット作をシュミレーションしてつくったような人が多く、

どこか飼いならされた、大人には分からない(オトナニハワカラナイ)、商品化されたワカモノ、というイメージがあります。筆者は、その飼い慣らし化に、加担している感じがします。