ちきうアネクドート

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アメリカン・タブロイド

アメリカン・タブロイド〈上〉 (文春文庫)
アメリカン・タブロイド〈上〉 (文春文庫) ジェイムズ エルロイ James Ellroy

文藝春秋 2001-10
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現場の刑事などの蟻の軍隊のような、虚しい任務をひたすら描いて、政治の矮小さを炙り出す。
アメリカが清らかだったことはかつて一度もない。われわれは移民船のなかで純潔を失い、それを悔やんだことは一度もなかった。アメリカの堕落を特定の事件や状況のせいにすることはできない。最初からないものを失うことはできないのだ。

アイルランド系だからWASPに敵視されていたとか、キューバ絡みで消されたとか、噂の囁かれるJFKです。

警察とマフィアの癒着を書かせると一流の、エルロイらしさが影を潜めているか。

ハードボイルドは地を這う仕事、俯瞰には向かないのか、テーマ負けしている気もします。

警察の政治周りのお仕事は、不明ですが、本書では、要人のお守りとかをやっているようです、あと天下りか下請けの業者に、胡散臭い右翼の雑誌を作らせています。

共産主義カストロ政権を転覆させるために、アメリカに亡命してくる反カストロ陣営のキューバ人を訓練したのは、黒人へのリンチで悪名高いKKK(白人至上主義団体)です。

要人への身体検査が、当時はクリントンとは比べ物にならないほどフリーです、JFKは毎日がモニカスルインスキースキャンダルで、そんなことばかり書いてあります。JFKの身辺を張り込み、盗聴器をつけて女の部屋からすぐにでてくるJFKを、2分の男と嘲笑します。


極右雑誌ハッシュハッシュの見出しはこんなのです。
季節労働者が性病を運ぶ。
ハリウッドランチマーケットは男色の天国。
・ニグロの多産は肺結核を蔓延させる。

が、この編集長はアカなのでクビにしろといわれて暇を出されます。これだけ書いてアカなら何を書けばいいのか。アメリカの右翼、闇深し。

誰がJFKを殺したのか示唆はしているかもしれないが、痒いところには手が届かないというか、暗喩にすぎる内容でした。

通説で暗殺犯といわれているオズワルドはでてこないし、JFKはアイルランド人なので、当時のエスタブリッシュな層に警戒されていたそうですが、そういう事情をフォローしてあるわけでもなく、素人にはよくわかりません。

かといって文体は削ぎ落されているので、文体フェチのエルロイファンには物足りない気がします。

 

 

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