ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

パレスチナから来た少女

パレスチナから来た少女 (光文社文庫)
パレスチナから来た少女 (光文社文庫) 大石 直紀

光文社 2001-03
売り上げランキング : 960542


Amazonで詳しく見る by G-Tools




こんなの出版OKなのか。

ハリウッドなどではほとんど見かけないパレスチナものです。

1998年発刊ですが、これは意外な拾い物です。変更点は日本赤軍が解散していることくらいです。

中東情勢が相変わらずまだ何も解決していないことを残念に思う人が多いようです。

この人が左派かどうかはわかりませんが、(ジャーナリストやカメラマンで右派という人もあまりいないと思いますが)、デビュー作ということですごい筆力です。

左翼でこんな説得力のある小説を書ける人は高村薫くらいではないでしょうか。

イスラエルはちょっと悪役ですが、必要以上にはひどくは描かれません。

イスラエルにしてもキブツで日本人スパイをスカウトし、世界中にネットワークを張り巡らすサバイバル根性というか、状況のシビアさは伝わってきます。


ここから何を感じ取れというのは難しいですが、エンタテイメントの形で提供されたのはありがたいことです。

イスラエル兵に家族を惨殺され、私怨の塊、女性テロリストとなったマリカは、イスラエルの要人を次々と殺していた。そして組織に目的を教えられないまま日本に派遣されるマリカ。

日本とパレスチナなんて関係なくてキツイだろうと思ったら、意外とありました。かつて北欧のオスロパレスチナ自治へのロードマップが締結された、というニュースがありましたが、歴史的に中東やイスラエルと因縁がなく、そういう会議の開ける環境のととのった先進国は、北欧と日本くらいとうことで、日本でそういう会議が隠密に開かれます。本当にあったのかフィクションなのかはよくわからないのですが。それでその日本の国際会議に、中東からテロリストなども集結してしまいます。

内容は何と、パレスチナの独立、イスラエルでは、戦争よりも経済発展を望むユダヤ人が増えているということです。

各国のスパイやイスラエルモサド、日本の公安などが入り乱れ、オチはよほど国際情勢に詳しい人でないと分からないと思います。

一方で、パレスチナで家族を失った少女を引き取ったジャーナリストの軌跡をたどりますが、彼らもやはりイスラエルモサドと日本の公安にマークされていました。

ユダヤ人の生存の為に作ったのにもかかわらず、世界中で一番ユダヤ人の死亡率が高い地域、イスラエル

筆者が現在、二流のテレビドラマ小説化で糊口をしのいでいるのが大変惜しいです。こういう硬派な本はあまり売れないのでしょうか。

広告を非表示にする