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売国

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売国 真山 仁

文藝春秋 2014-10-30
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例えば日本で最先端の製薬の特許が出願されるが、許可が下りない、そのあいだにその製薬会社のスキャンダルがでてきて特許どころではなくなり、そんなことをやっているうちにアメリカにその技術が盗まれる、というような陰謀説があります。

そういう胡散臭い噂は、信じる人と信じない人に分かれますが、かつて90年代の貿易摩擦などで取りざたされました。

これは日本の宇宙産業とその遺産をアメリカに売り渡して解体するという、リアルなのかフィックションなのかよくわからない近未来像です。

日本も高度経済成長時代を過ぎて投資資金が減り、選択と集中が求められます。

宇宙も、あまり何かの商売にはつながっていないので、別にいいかな、とか、研究は何につながるか分からないので、何ともいえませんが、

日本の研究が世界の脅威につながってはいけない、と言うコンセンサスが世界にあるようです。

で、もうハナから諦めて福祉などに使うか、それも堕落なので、二流技術を開発するか、などで国内世論は荒れています。

中級の技術力のキープと言うことは言えるかもしれないし、もはや素人には判別不可能の領域です。

最先端の研究はお金ばかりかかってリターンが少なく、二番手クラスが一番儲かるという噂などもあります。

こうしたグランドデザインを描ける人がいない。というか、敗戦国としては、存在不可能である、というか。

研究者たちが、予算を獲得するために、何も知らない大臣たちにレクチャーする活動に時間を取られて、不毛な感じです。

冒頭にさんざんでてくる女児誘拐事件などはストーリー的には全く意味がなく、釣りです。

汚職を追求する検事が京都の和菓子屋の末裔とか、宇宙センターで宇宙関連の技術者を目指す女性がレスリング部上がりとか、小ネタが多いです。

売国奴を逮捕しろというのは、アメリカの犬になっている特捜警察への批判でしょうか。小沢つぶしなど昨今の検察のスキャンダルは、アメリカの弱体化の証なのでしょうか。

経済小説でヒットを飛ばす真山仁ですが、日本政府が手放した宇宙技術を、「ハゲタカ」で、中国資本に買収されかけて間一髪で助かったアカマ自動車が買い取るオチになっているのがなつかしいです。

かつてはゼロ戦などの優れた技術で知られた日本ですが、戦後は警戒されて航空機産業への参入は禁じられて、その代わりに世界の主流からハズれた車や鉄道、宇宙などは日本の基幹産業で、そういう妄想が面白いです。

最近の研究の実践は、スパコンやAIなど蓄積がモノを言うので、やや突き放されたという感じもします、その辺欧州などの小国はどうしているのか。シンガポールなども、別に大規模な技術を持っているわけでもなく、商人国家なのか。

日本の産業が、欧米の基幹技術の下請けというのは、考えてみれば明治時代から変わったことがないので、今更ですが、ただ新興工業国の勃興で、下請けのライバルが増えてしまいました。

二番手が一番儲かるパクリマン戦略は完全にアジア諸国に持っていかれました。

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