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オービタル・クラウド

オービタル・クラウド
オービタル・クラウド 藤井太洋

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最近は北朝鮮などがやたらと上げていますが、

軌道上の衛星(オービタル・クラウド)などを使った各国の諍いを想定し、各国のスパイなどが暗躍、というきな臭い未来像です。

遠い未来の空想より、リアリティを求める人向けです。科学雑誌に出てきそうな技術です。

宇宙戦争とかスペースオペラでは間違っても無い。

都心の借りパーティションで、各自研究を進める気鋭の技術者たちです。研究者向けのインフラが整い、研究室ではなく、こういうところでも研究ができるというのは、リアルなのか、妄想なのか。

舞台は2020年頃ですが、日本の宇宙開発は案の定、行き詰まり、気鋭のエンジニアが中国などに流出する始末です。

が、頭の痛いことに、行った先の中国でも、やることは欧米の二番煎じで気落ちし、中には北朝鮮に雇われる人までいます。

イランや北朝鮮のエンジニアたちは、新しい方法で宇宙へのアクセスを目論みます。例えばスペースデブリに見えるような小型衛星のようなものを打ち上げて、先進国の衛星を壊すとか。

希望の星が、資金も乏しいであろう北朝鮮やイランというところが笑いますが、

中国やインド、日本級の技術者大国ですら、先進国の優位を脅かす画期的な技術の開発は難しいのか。

世界へネットワークを敷くだけの投資をしているのがアメリカやEU、二番手が中国辺りだそうですが、それを壊すことに夢がある、というのも倒錯していて、科学的な根拠などが分かりづらい。

自国では宇宙開発のレベルが低くて活躍の場がなく、かといって世界最先端のアメリカで認められるほどの技術はない、平均的なエンジニアたちのフラストレーションが今の日本人や、ともすると新興国のエンジニア全体に共感しやすいと思います。

登場するのは、宇宙関連の企業家から、NASAまで、バラエティに富みます。

ラストは明るすぎ、悪役や狡猾なスパイを含めて、全ての登場人物が夢を共有しているエンジニア天国が出現します。

そこが、スパイ小説などより、ビジネス書寄りの感性です。国ごとの開発の不毛さの先にあるのは、世界政府か。ジョンレノンがイマジンを歌いそうですが。

タックスヘイブンの問題など、国境の意義って変化してきていると思いますが、それは重複する開発競争という面からも言えるのだろうか。

 

 

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