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世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう

世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう
世界を変えたいなら一度 奥山真司

フォレスト出版 2012-07-25
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工場の海外への移転と技術の流出による日本経済の沈下、どうしてこうなったのか。という本は多いですが、本書は日本は商売をやる上での上の戦略、ビジョンやデザインといった川上を抑えていないからと一刀両断します。

タイトルの武器というのは技術のことを指します。

プロジェクトエックスのように技術が日本の強みとか、

右翼のように誠実にしていれば世界が理解してくれるという現代の主流にまっこうから対立。

戦略では下の方に当たる基幹技術などは模倣しやすく、強みになりにくいとか。

技術は捨ててしまえとすらいうラディカルな提言には抵抗も感じますが、一理あります。

アメリカは製薬や金融、IT、流通など、経済を支配する基幹産業を戦略的に選択し、世界を席巻しています。

金融や流通を握ってしまえば、技術の塊である製品すら支配できるという考え方は、途上国のよく取る旧態依然としたキャッチアップ政策をやっていた日本からしたら一枚上手でした。

2015年には台湾企業がシャープを買収して技術を吸収していて、資金力です。

物流というのは、昔でいうと松下の代理店みたいなもののことでしょうか。

ダイエーが流通破壊してそのまま潰れて、知らないうちにヤマダになっていましたが、あれを流通というのか。

トヨタのインド進出本には地元の代理店をうまく使うと良いと書いてありましたが。

小売りはその国の生命線というか、パパママストアなどがやっていることも多くて、海外が牛耳ることは考えにくい気がしましたが。

コンビニとかウォルマート、マクドナルドなど、流通を抑えて世界展開しているチェーン店はあります。

あとは恐らくアメリカ資本であろう、ショッピングモールなどがそれに相当しそうです。

ネットは楽天も頑張っているけれど、アマゾン一強なので難しそうです。中国語圏も、百度やアリババがしっかり掴んでいるし。

世界を席巻しているアップルやサムスンも、中身の細かい部品などは日本製ですが、でも日本はトータルで世界を席巻する商品を作ることができないようで、原因は日本人の考え方など根が深いようです。

日本には昔から、世界や人生を突き詰めて考えるような宗教がないし、放牧や植民地支配といった、トータルな戦略性の求められる営みもしてこなかったし、教育も創造性を発揮するようにはできていません。


新入社員の頃から社長として考えるというのは、一頃流行った俗流自己啓発にも通じるし、

大局的に考えて人生を支配しろということで、エリート向けのような感じもします。下の方で技術的なことをコツコツやる人も必要だし、そういう下々のものがこういうビジョナリー思考を持ってどうなるのかはよくわかりません。

そこはぬかりなく、そういう最近の軽薄な向きにもチクリと刺すことを忘れません。現代の人は目標を攻略していく逐次戦略を重視しがちで、日ごろの善行の積み重ねによる深い自尊心というか、素養がたりないという指摘もあり、欧米人でいえば子供の頃から教会へ通ったり慈善事業をすることに当たるそうです。