ちきうアネクドート

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メタモルフォシス

メタモルフォシス
メタモルフォシス 羽田 圭介

新潮社 2014-07-31
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キティちゃんの入れ墨をした男が川流れして死んでいたという新聞記事にはじまる、SMクラブの利用者のMの都会の、高収入の男性たちの生活を淡々と描く短編が2つあります。

主役は1が証券マンで、2がテレビアナウンサーです。どちらも就職人気ですが、神経太くないと病む職業のようです。

SMなどによけいな心理分析などをするとだいたい失敗しますが、これは湿っぽい感情などは入らず、即物的に描写していきます。ここではないどこかへ行けるかもしれない、などの記述がたまに混じる程度です。

その即物的描写のディティールは、かなりの取材などが要ったと思います。

1のほうはSMのMが山中で虫を食べたりするラストがシュールです。人のウンコを食べると病気になるとは知りませんでした。何か腸内の検査でバレて、たまにいるんだよね、あなたみたいな人、と、医者に説教されてしおしおのパーです。

彼が、裸で首輪をつけて女王様に散歩をしてもらう、夜の公園の散歩をしていて、似たようなSMの犬と主人が3組出くわしたとか、そういうのが醍醐味です。どういう醍醐味だよ。

2のほうは、アナウンサースクールに通い詰めて、差し入れや体まで提供してこようとする、媚びるアナウンサー志願の生徒さんたちを躱しながら、無味乾燥な男性アナウンサー生活とアナウンサースクールの講師をアルバイトでしている、Mさんです。SMクラブの女王様をしている女子大生が、アナウンサー選抜試験に現れて、お互い知らないフリをするのですが、彼女がカメラテストの事故対応で、意外な才能を発揮するあたりはカオスです。

芥川賞候補ですが、花鳥風月を愛でるのが文学の醍醐味だと思っている人には向きません。

メタモルフォシスは、変態、芋虫が蝶になったりすることだと思うのですが、エリートがSMにハマって、芋虫が蝶になったのか、蝶が芋虫になったのか、どっちなのかは不明です。

 

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