ちきうアネクドート

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愛情省

愛情省
愛情省 見沢 知廉

作品社 2006-05
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元ネタは有名な1984の愛情省、こんな内容でした。

リンチで1人殺害、思想犯で、刑務所で精神鑑定などに回されるウィンストン2世は、投獄歴のある著者に似ています。

精神分裂病や幻聴など適当な診断によりウィンストン2世に病名をつけまくる精神科医オブライエン2号は、刑務所の医者でしょうか。

要約すると2人にはこんな会話が繰り広げられて、適当に診断がされます。
「神がいるということを、キミなりに解釈するとどういうことなのかね?」
「伊井直助討死、226青年将校決起、大石倉之助討ち入り、全部雪の日です。雪の日は神々がお喜びなんだということです」
「あっそう。(精神的におかしいということはこれで)決まりだね」「刑務所の処遇改善とか、そういうことは僕に言われても困るからね」


投獄後――
小便が漏れる!などとさわいでいたら尿道カテーテルを入れてウィンストン2世を放置していった看護師、オブライエン1号。何にも逆らわずにラクにしていれば小便なんか自然にでるんだよ、などのどうしようもないオチは1984の無気力化と似たようなものでした。

刑務所は怖いのよ子供たち。あわせて入っている「ニッポン(不法移民×ユダヤ陰謀説)」「天皇ごっこ」なども名作です。

どうして左翼や右翼をするのか、どうして国に反逆しているのかなど、深い意味などはサッパリわからないが、独特の詩情に溢れた面白い文学作品です。

しかしこのポエムは、今の日本で右翼や左翼をすることには必然性がなく、ネタというか彼の芸風というか、ギャグに回収されてしまっていることを図らず師も露呈しているとも思います。

古典的には右翼の活動には独特のユニフォームのようなものがあり、左翼の活動はシュプレヒコールなどが統一されていますが。彼らの活動は伝統芸能化しているのではないのでしょうか。今時はデモなどがネット上ですぐに拡散して祭りになり、つまらなければ非難が飛ぶし、おもしろければ拡散して広がっていったりするような辺りも、芸能化しています。この本はそういうネタの宝庫で、やはり政治活動はキャッチコピーやレトリックが大事ですから、右翼、左翼の人などは必見かもしれません。

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