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シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)
シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書) エマニュエル トッド Emmanuel Todd

文藝春秋 2016-01-20
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カトリックプロテスタントユダヤの血みどろの内ゲバを経験し、近代社会を祖先の血でもって獲得してきたフランス人にとって、宗教殺人は許せません。

シャルリはムハンマドの風刺画を載せてイスラム教徒に襲撃され、編集者が犠牲になった雑誌の名前で、今ではファッション雑誌にもシャルリ、オッサン週刊誌にもシャルリ、といったふうです。日本のいろいろな雑誌の表紙に、日の丸がついているようなものか。日の丸の象徴するものは、言論の自由とは程遠いので悲しいですが、その辺はフランスは先進国です。

しかし、そこへ本当に先進国か?と、待ったをかける彼です。

そうしたイスラム差別の台頭を、本書はヨーロッパの家族制度や政治から読み解いています。

フランス中がシャルリ一色で、誰も冷静なコメントを聞かない中で、取材に来た日本の雑誌へ特別寄稿というか。無宗教の1億日本人が心強いとか書いてありますが、

日本人はボーっとしていて、人種差別はピンとこないし、地縁、血縁は古い日本の公然の秘密なので今更ですが。

フェアネスの息づく欧州の地で、そういうことを言うのはセンシティブなのでしょうか。

フランスの政治風土に、年々信者の減っている伝統宗教の残滓があり、ゾンビ・カトリシズムとか、ゾンビ・プロテスタンシズムとか、不遜な感じのネーミングがしてあります。

フランスは自由、平等、博愛の発祥地ですが、その平等の実態は何なのか。

ロシアやドイツの例をあげて、長子相続だと差別的になり、兄弟の相続が平等だと平等主義になるとか、

ピンとこないのですが。元は貴族の話か、農民の土地相続の事か、それが現代社会にまで続いているのか、民法はどうなっているのか。

私は欧州に長子相続なんてものが存在すること自体知らなかったし、そうしたら第二子以下は家を追い出されて寄る辺なき民になってしまうのか、

中国だと、兄弟の相続は平等なんだっけ?などと、やや煮え切らない感じはしました。

不況で世の中の金の流れが滞ると、相続がクローズアップされてくるのか。

移民問題に血縁を持ち出すのはプロパガンダという感じもするし、クローズドな家族制度を持つ、イスラム教徒と同じ穴のムジナになっているような気もしました。

あとは、海外からの移民だけではなく、失業や就職や進学で移動する、同胞の流民も射程に入ってくるのでは?と思いましたが。