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完全版 月に響く笛 耐震偽装

完全版 月に響く笛 耐震偽装
完全版 月に響く笛 耐震偽装 藤田 東吾

講談社 2007-04-25
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耐震偽装スキャンダルのときに矢面に立った、マンションやホテルの構造などの検査機関イーホームズの社長の告発です。

元はと言えば、構造計算プログラムという耐震基準をチェックするソフトが、下請けの人たちが予算カットの為に不正を誘発するようにできていて、

それは耐震基準の緩い海外でも使えるように作ったせいだそうですが、でも開発チームとかの名前も書いていないし、よくわかりません、闇です。

 

著者は、ペンは剣より強しとといった文芸春秋の創設者の菊池寛とは同郷だが、この本を出版拒否する今の文芸春秋は、どうなんですか?とか、自費出版して全国の書店を行脚したとか。

そういう派手なことが前書きにあり、そのあと、国土交通省から、関連会社から、実名がズラズラと書いてありますが。

 

この事件は、元々、日本の地域の、マンション建設反対派とデベロッパーがそれぞれ地元の政治家などを担ぎ出して裏でゴチャゴチャやる伝統が影響していて、

小島社長は政治家を召還し、国交省には組織防衛体質が働き、著者は匿名で声を変えてマスコミに不正情報をタレこんたどか書いてあり、最後はアパの闇に突っ込んで逮捕です。


あとは走れメロスの一節が、彼が中学生のときに学校の机の上に彫ってあり、ずっとそれについて考え続けていたとか書いてあるのですが、

で、その友達が、接待ゴルフの相手のヒューザーの小島社長だとか、前書きからシュールです。

それで、靴下の丈が日本の接待マナーに合わないと注意されて直したとか書いてありますが、いろいろ胡散臭いのが建築業界の闇の一種なのか。

それでオジャマモン(小島)は戦友なのかと思ったら、同じゴールを目指しながら方法論で明暗が分かれたとか、けなしたりたまにフォローしたり、敵味方がハッキリしないようにうまく書いてあり、

建築基準のマニアックな記述はとっつきにくいですが、それはそれで興味深く、素人にも読みやすく工夫してあります。

小沢スキャンダルや検察のフロッピー事件など、適当に闇に葬られた事件に比べたら、ありがたいです。

 

構造計算プログラムの問題は、業界全ての人が被害者らしいのですが、イーホームズが真面目に不正検査をやったら、

他の会社は手を抜いていてどこからも発覚せず、それでマスコミではイーホームズが不正の総本山だということにされたようです。

 

東大閥を甘く見るなと警告されたとか、彼の経営していたイーホームズという民間検査機関に全てを押し付けてトンヅラした役所の対応は、

不正を見つけた子供が親に話したら口封じに殺されたようものだというのが、告発ベースなのですが、

この人はこの人で、インド大使の講演を聴きに行こうと思ったとか、

中国の大使の話に感動したとか、東郷神社の側にあるセコムに株を売ったとか、

各方面に恩を売っていて、同じくらい胡散臭いのが、この人も良いタマをしています。

アパはプリンスとつながっている、という忠告を受けたとか意味不明です。


土建屋さん向けなのか、修辞が泥臭いですが、家族が路頭に迷ったことを書いているのですが、

もみ消しをした人たちのほうも、一応家族があるから天下りともみ消しが辞められないのでは?というような、同じ穴のムジナ感が、業界の感動を誘いそうです。

彼はスキャンダルの最中に、何故かイーホームズの株式上場をしようとしているのですが、新興企業の社長として、4000人の面接をしてきたと書いてあり、

彼ら建築設計士は資格や経験を持って、方々を渡り歩けるようなので、そんなに悲壮な感じもしないですが、役所のほうはそうはいかないのでは?

都庁に建築に詳しいOBをスカウトさせてくださいと手紙を出したり、子供のころから応援していて、ずっと投票していた代議士が、この事件で敵にまわってしまったりとか。

あとは、日経ビジネスか何かに、敗戦の将、敗因を語る、というコーナーがあるそうで、

どんな名目であれ、倒れかけた企業の人が日経の取材を受けると、一方的にこのコーナーに載せられてしまうので、断ったほうが良いとか、豆知識もあります。

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