ちきうアネクドート

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1999年 日本再占領

1999年 日本再占領
1999年 日本再占領 水木 楊

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日本が貿易とプラザショックで、黒字を積み上げた時代がありました。

今だと日本の代わりに、中国辺りを想定するといいか。

1980年代末から市場開放要求が始まりかけ、アメリカサイドの鉄仮面な感じがすごいです。

当時の日本は米軍基地が置いてあるだけで、クローズドで外から何をしているのかわからず、アメリカにとって異生物扱いです。

日本を放置しておくと逆ギレして集団で攻めてくると思われていて、日本の首脳陣がアメリカの大統領を訪問しても、けんもほろろ。

アメリカの一方的な貿易制裁、日本改造計画がつきつけられます。


で、日本人が対抗策で、核を作り始めたので、アメリカの日本再占領の計画が進みます。

対する日本で反米の狼煙を上げるのは、右翼と共産党の合作で日本労働党、と書いてあります。

内閣総入れ替えで、何とか切り抜け、首相は移動中に自衛隊機に襲撃されますが、逃げ切ります。

この日本のポジションが今の中国で、米中戦争になると、日本も巻き込まれます。


首の皮一枚でつながっている日本の首相は、水槽の中の鯨がいくら大きくなろうと、電源を切る自由はあなたたちにある、とか、私が最後の親米政権かもしれないのです、とカウンター・パートナーのアメリカ人に切々と訴えます。

彼ら(日本人)はアメリカをサンドバックにして気勢を上げているが、そのサンドバックの縄が切れて自分たちの頭の上に落ちてきたら、どうするというのだろう、と新聞記者がいぶかります。

後日譚で、工業輸出の伸びてきたアジアを、また叩くが、しかし欧米の人々は物を作れなくなり、代わりにアジアやメキシコの人たちが欧米に移民して作るようになり、勝ちとか負けとか言えません、という社説がでます。

移民と空洞化が欧米の選挙戦の焦点になる2010年代の今、それを勝ちとか言うのは危険な感じがしますが。愛国心を煽りつつ、欧米には首を垂れる、中国などのメディアにすら、載せられる論なのかどうか危ない物言いで、当時の日本は無邪気でした。

1990年前の出版で、欧米が世界を席巻するIT、金融などの出現前で、

工業もちのアジアは、欧米から見たら脅威、という気配でしたが、その工場も世界に広がってしまい、アジアも驀進が止まって、苦しい戦いを強いられています。雇用を吸収する工場が安いところへ行ってしまい、空洞化した地域の失業者が暴れるのは世界共通の悩みです。911景気のような不穏なことも起きます。

ストーリーは貿易交渉の決裂と、日本再占領という一大事ですが、サーファーと大波が来るのを待ちながら、タス通信みたいなところの記者が、日本とかアメリカとか、興味ないです、スクープです、とか当時から冷静な人がいたり、

アメリカの日本人スパイが死んだりしますが、ジャパン・ハンドラーの姿は見えず、本としては、当時の情勢を知りたければ良いかなという程度です。

 

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