ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

The Indifference Engine

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA) 伊藤 計劃 岡和田 晃

早川書房 2012-03-09
売り上げランキング : 16225


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 


憎んでいる敵と自分が、区別がつかないほどに通ってきたら、どういう感覚に陥るのでしょうか。

黒人と白人が差別しあうのは分かりやすいですが、

容貌の似ている、東アジア人同士の人種差別などが相当するかもしれません。

日本で街宣車をまわしている右翼の構成員の多くが在日韓国人だったり、

人種さえ入れ替えれば思想的に似ている、日本のネット右翼在日韓国人の間に生じているグロテスクな対立にも似ています。


本書はルワンダの虐殺を題材にとっています。殺し合いに明け暮れる、ツチ族フツ族

国連の人たちがやってきて、ツチ族フツ族の区別のつかなくなる措置をします。

そうすると人種差別がおこらないというメソッドで、人種差別問題に悩む移民大国のアメリカなどでも適用されています。もちろんフィクションです。

そして誰が敵なのか区別がつかなくなり、被験者の少年は狂っていきます。途上では、ヤンキーやカラーギャングと同じで、路上暮らしの彼に、敵味方の区別のつかないことは死活問題です。

残り物の食糧を漁るにしても、フツ族のテリトリーに入ってタコ殴りにされ、ツチ族のテリトリーに入って追い出され、食べていくことができません。

仕方なく彼はもといた孤児院に戻り、でぶの教師を手元にあった鉛筆で刺します。孤児院は、みんなの家、みたいな、個人は全ての民族の家、というようなスイートな名称です。

ヨーロッパかどこかの先進的な人種融和主義の風刺のようですが、よくわかりません。この感想は、憶測で書いているところが多いです。

虐殺に出かけていくラストは、チビもノッポも思い思いに行進しようなどと書いてあり、文体はメルヘン虐殺で、独特の魅力があります。

広告を非表示にする