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ワイルド・ソウル

ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)
ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫) 垣根 涼介

新潮社 2009-10-28
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ブラジル棄民が怒りの拳を上げる、日本のランボーです。

ランボーベトナム戦争で棄民された元兵士が、ヤケクソの戦闘を繰り広げる映画です。

外務省のエリートさんたちが、人身売買っぽいことをして責任を取らずに天下りでヌクヌクしているので、懲らしめることにします。

外務省に騙されて、不毛な耕作放棄地みたいなところへ送り込まれるのと、飢餓戦線へ送られて兵站を断たれるのとどちらも悲惨です。

国家が後押しした満州と、棄民した南米では、南米の移民のほうが成功しています。アルベルト・フジモリとか、サンパウロの日本人街とか。

ほとんどの国は貧しい時期に棄民=移民を出していますが、人々を食わせるための飽くなき拡大はどこまで続くか。

それで、かつての棄民たちが集まって、諸悪の根源の外務省に復讐するということが、早い段階で分かるので、ミステリーとしては盛り上がりませんが、棄民地のジャングルから拾われて日本市場への架け橋として、麻薬王の子飼いとして育てられた人がいたり、南米流に染まってナンパばかりしている男がいたり、飽きません。

ジャングルの恐怖を味あわせてやる、とかいって、外務省のエリートさんたちを富士山の樹海に放置、とかいう甘さが可笑しいです。

たしかに、樹海に住んでる人っていませんが、彼らの送りこまれた南米のジャングルは富士山の樹海に匹敵する不毛の地でした。

ただ、国が裏切ったとかいう前に、他国では元々信頼できないのが政府です。

かつての欧州とかの棄民は、あまり政府の後押しとかはなく、食い詰めていた人が、勝手に出て行った現象です。オーストラリアなどに至っては囚人の流刑がルーツです。

 

南米は、奴隷として売られた黒人や、白人の略奪にあった原住民が雑居し、いちいち過去をほじくりかえさないことで成り立っている地域です。

逆にジャングルに育っておいて、日本の人気キャスターをかっさらう南米ナンパ男とか、コロンビアマフィアの大物にコネを作るバイタリティはすごいです。

彼らは貧しい農村出身で、日本にいたら農協とかで胡坐をかいていたかもしれない人たちです。集落のほとんどが全滅するなど、大きな犠牲を出しながらも、たくましく成長した彼らですが。

シリアスなテーマに、ふざけた感じが入ってて上手いです、構想と資料集め大変だったようです。

 

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