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株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム

 

株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム
株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム 栢 俊彦

日本経済新聞出版社 2007-10
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共産制崩壊後のロシアでは、各施設の株を従業員たちに分けて、工場長など現場になじみのある人が人々から株を買い取って運営しているようです。

民主化の過程でロシアはボスニアになった可能性もあり得たところ、移行がスムーズに行ったようですが、負の遺産も多いです。

プーチンは海外の意見に左右されやすい資源ブランドを、ソ連崩壊以降隆盛していたオルガリヒ(新興財閥)から買収し、ナショナリスト寄りにしているようです。

中小企業など内需頼みの業界が国家の指導力を期待し、資源など外需寄りの業界が国際派で、ブッシュ時代のアメリカでファンドか何かを立ち上げたりもしていたとか。

アマゾンにはロシア寄りの書籍と書いてありますが、

主権民主主義(=西側諸国の介入を受けやすい旧共産圏において、国家の主権を崩壊させない民主主義)など、関係者にしか分からない特殊用語が普通に使われる面白い本かもしれません。

資源をめぐる駆け引きで欧米と組んで政治を荒らすオルガリヒを追放し、その会社を国家が買い上げ、かつての東アジアの奇跡と同じで、ある程度の保護や統制は必要と言うのがプーチンの立ち位置のようです。

かつての開発独裁は、主に非資源産出国で、世界貿易の比較優位で永久に一次産品しか産出できない不毛な産業構造に閉じ込められないように、幼稚産業が工業力をつける過程でやったようですが、

それを資源国で行うとどうなるのか。あとは、ロシアの知識人や中小企業社長のインタビューがレアです。

タタールの軛がロシアを作り、彼らはまだそこから自由になっていないが、その軛から自由になりたいと思っているかどうか。

ロシアの人民は西欧のように民会で決めて納税しているのではなく、上から一方的に搾り取られるものだそうです。

インタビューで法律家を目指していた才媛が、司法が金で取引される現実にウンザリしてビジネスに転向したり、人々の民主主義への不信など、闇は深いです。

民主主義はマフィアと同義で、のさばりやすいマフィアや汚職を抑えるために、プーチンスターリンに代表される強権が必要とされます。

ロシア人は個人より集団で動く動物らしいのですが、

それで1人のサボタージュが労働運動になり、労働運動が革命になり、

1人のチクリが集団チクリになり、相互監視体制になり、

1人の酒飲みが、炉端に屯する酒飲みの集団になり、とアメーバのような感じか。本自体は地味で、読みやすくは無いです。