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サイゴン・ピックアップ

サイゴン・ピックアップ (河出文庫―文芸コレクション)
サイゴン・ピックアップ (河出文庫―文芸コレクション) 藤沢 周

河出書房新社 1999-02
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内閣企画庁に進んだ友人が言います、すべては計画通りなんですよお。しかし庶民は全て同じ方向に向かっている。死だ。だから彼らは正しい。繁華街で托鉢中の僧がサラ金ティッシュ配りなどに紛れて、狂気にとらわれます。

ヤク中やポン引きなどを書いてきた藤沢周が今度は禅寺を舞台にしています、ハードボイルド禅寺という趣です。自殺者はでるし放火する僧はいるし、全国の禅寺から違う違うという声が聞こえそうですが。この寺はどこかがグロテスクだ、たぶんすべてがグロテスクだ、と独白します。

サラ金の取り立てから逃げて寺にこもっている主人公の白童。実家の寺から強制送還されてきた無門。暴力僧にホモの高層。他にも二重人格の無水や元過激派など、寺のメンバーは魑魅魍魎です。

紫の影から逃げてきたのか?悟り、たくないです。

あと生臭坊主大杉です。

 白童が首座だったら夜鉢しほうだいだよ。

夜鉢は昼間の托鉢のもじりで、寺を抜けだして夜の街へ遊びに行くことと書いてあります。そういう専門用語が独特の文学的雰囲気を醸し新しいです。

中世に各藩から逃げてくる犯罪者をかくまったという結界か。寺の太い梁に潜んでいる龍が瞑想中に体の中に入ってきたり、良くわからない仏教用語を使って表される無力感が神秘的です。

白童はたびたび課長と出奔してしまった昔の愛人を思い出し、夢の中でサイゴンで地雷を掘り東京三菱、300万などの銘柄を当てる夢を見ています。

すべて同じ寺のシリーズで、「サイゴン・ピックアップ」は、恋人と花屋をやりたかった無門の自殺未遂と、その後の寺からの出奔、
「白ナイル」は借金取りから逃げてきた白童への寺へのヤクザの取り立てと放火、
「ペナレス・クロス」は白童が寺々を回って印鑑をもらい、寺主に首座になれと言われるが、そこの尼さんは寺主とデキていて、さらに主人公が寝ていると裸で襲って来たりします。

 

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