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天使の囀り

天使の囀り (角川ホラー文庫)
天使の囀り (角川ホラー文庫) 貴志 祐介 酒井 和男

角川書店(角川グループパブリッシング) 2000-12-08
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日本人研究者のグループが、アマゾンのジャングルで遭難して空腹に耐えられずに線虫に感染したサルを食べてしまい、帰国後に連続して不審死を遂げます。

現地民の言い伝えにあるように、それを食べると、恐怖心がなくなり、外敵から身を守る行動をしなくなり、死に至ります。電車に飛び込んだり、子供を殺したりします。

そのツアー参加者の1作家の恋人の精神科医が、人を苦しませずに死に至らせる、終末医療ホスピスの職員をしていて、この件に関心を寄せます。

1990年代に起きた薬害エイズ事件の被害者用の病棟というのがあって、彼女は、そこで働いているのですが、

昔より衛生状態が改善したので、既に日本の大学で線虫の研究はやっていないとか、実験用のサルはペット用だというと、検疫なしで通るそうで、厚生省の脇の甘さが示唆されます。

猛禽類、鷲を紋章にしているグループはアメリカなど多いですが、感染したサルには、襲ってくる鳥の羽音が、天使の囀りに聞こえるとか、天使の羽は、元々、その鳥の翼がモデルだそうです。

子供の背中には羽があるか。

アングロサクソンは蜂、ユダヤは蜘蛛、日本人は蟻、というコミュニケーションの例えを初めて見たのは松本なんとかの英語の本でした。

鉄器文明に付随する宗教が普及する前は、スネークカルトが世界に分布していて、蛇は大地の母神だそうですが、手と足がなく地を這いまわる蛇は、移動能力と腕もがれた貧しい無力な人か、

寄って立つ基盤がないということか、そうした理不尽さを反映した、髪が蛇になるメデューサなど復讐する女神というモチーフも多いようです。

中国に多い龍は、そのスネークカルトの名残というか、進化系だとか。会話で、そういう蛇の象徴性と、人の脳に寄生する線虫との関連が示唆されます。羽があり自由に飛んで行ける鳥や天使とは正反対です。

事故の起きた研究者のアマゾンツアーの中に、どうせ薬物を使うなら、人々を洗脳してコキつかえとか過激なことを言うスポーツマンタイプの教授がいて、

彼は帰国後生き延びて、大地の子供というカルトセミナーを催し、参加者に感染猿の肉を食べさせて人体実験をします。その猿から線虫が人に寄生して、変死者が大量発生します。

昔はスターだったのに、知らないうちに悪役ばかりが回ってくるようになり、何が何だかわからなくなって死の影におびえるようになったとか、石原慎太郎っぽい感じですが。

生物のDNAには、蜂が必ず六角形の巣をつくるなど、環境の使い方まで規定されていますが、この線虫はDNAの余白領域が大きい、と書いてあります。

DNAの余白領域が大きいと、すなわち、他の生物を操る為の情報が入っているとされます。線虫は人間を操ることができます。


またこのカルトセミナーに参加する1人で、田舎のサエない見合いを断り、ストレスのたまるコンビニ店員をしているフリーターの男性がいます。

彼は美少女ゲームのオタクで、真夜中に1人でエロ画像のモザイクを外したりしています。

井戸端会議のオバサンのように、ネットワークを張るクモが嫌いだった彼が、

エンジニアとして突然、蜘蛛の巣マニアになってしまい、ネットワーキングに興味を示します。そんな感じのホラーです。

 

 

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