ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

ナンバー9ドリーム

ナンバー9ドリーム (新潮クレスト・ブックス)
ナンバー9ドリーム (新潮クレスト・ブックス) デイヴィッド・ミッチェル 高吉 一郎

新潮社 2007-02-24
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主人公、詠爾は、離島から東京へ、一目だけでも良いので、逃げた父親に会おうとして来ます。

法律事務所や、本家の家族の代理人を、盥回しにされた挙句に、彼の父が彼には会いたくなく、私生児は恥だと思っているということを知ります。

戦後のアメリカの幻影を追いかけ続けた、日本や新興国に重なるといえば、陳腐なストーリー紹介になってしまいますが、どうとでも読めます。

また、もう1つの日本の奥の院とやらは、臓器、人身売買で稼いでいる一大マフィアで、

彼らから逃げ出して探偵になった、もう1人の母親からの手紙が届きます。

このCDを各種メディアに公開して、日本を救って下さいと書いてあります。

連日、手紙の主の予測した通りのニュースが流れ、

彼には危ないCDを送り付けられた人々が、危険を避ける為に

川に流すところがありありと主人公には思い浮かび、自分のCDを靴下置き場に隠しておきます。

 

離島で孤児として姉と共に育った詠爾は、雷神の前で、何でもしますから、サッカーの試合で勝たせてください、とお願いした次の日、詠爾は口の汚い監督も手放しで喜ぶ大活躍をします。

負けた瞬間に歪んだ相手チームの監督の顔写真を取ったから、年賀状に印刷して配ってやる、とか。

監督は昔、一瞬だけ日本代表になりかけ、怪我で引退し、離島へ引っ込んできて、子供たちを小突いてというかなげやりにサッカーを教えています。

が、試合で活躍できますようにというお願いを叶えてもらった代わりに、詠爾は水難事故で姉を失い、逆上した彼は、夜中に寺に忍び込んで雷神の首をのこぎりでぶち切ります。

村の人たちが長年祀ってきた雷神の首を切った、彼は世界中の神を敵に回したと思う。

彼は長じて、父親を捜しに東京へ行き、と、いうストーリーですが、彼はまた厄介ごとに巻き込まれます。

大杉小杉事務所という、父親の秘密を知る弁護士事務所の回りを張り、

加藤という弁護士をストーカーしますが、マッチョな警備員やセキュリティが発動して、彼にアクセスするAtoZのプランを全て断念します。

彼が法律事務所のセキュリテイを突破する為に身分を騙る、法律事務所の高級アクアリスムのメンテナンス屋、お魚族(株)は、日本の外を遊泳している海洋国家群、モダニズムといってもいいし、女性は性集団としては、遊民的な性格を持つし。

グローバル化して土地に縛られなくなった昨今、新しい家族や生活形態、地縁血縁のあり方が、出てくるかもしれません。

「あなたいつもの男の子じゃないわね」
「いつもの男の子じゃないです」
「それ格好いいと思ってるの?」
「死にたくなかったらファイルを渡してください」
「小さな南の島から出てきた男の子が、父親を探しているなんて言うと、困る大人もたくさんいるのよ」


勤務先の同僚のハッカーに頼み、父親のファイルを盗み出そうとして、土木事業や繁華街を取り仕切る、裏の日本の支配者の争いに巻き込まれます。

人間を頭まで生き埋めにして行うボーリングなどに参加させれるハメになります。いいか、要人が愛人に産ませた子を戸籍から消すなんてのは、簡単なんだよ。

彼はマフィアに殺されかけて思います、今夜は星が綺麗だ、星って何の為にあるのだろう。雷神の呪いか。

が、運命の女神は彼に気まぐれに微笑み、別の派閥のマフィアが彼らを殺しに来て帰って行き、彼1人が生き残ります。

例えば良い目を見ている児童売春野郎がタイを賛美するような、オリエンダリズムが入っていて、

日本を牛耳るギャングたちは、まるで中国やインドです。敵対勢力の債権者がトランプや人間ボーリングで始末されていくブラックジョークはコーエン兄弟みたいです。

彼の父親探しは続き、このあたりから、メタなのが村上春樹ふうなのか、

この物語を記すヤギ作家と、全てをデジタル化しようとする女王と、その手先のドブネズミが争いを始めます。


どうやら、祖父と父親は折り合いが悪く、本書には、死にかけの祖父が、父親の隠し子、詠爾に手渡しにきた戦中の日記の内容が挟まっています。

終戦末期の彼は、将棋の弱い将校、安倍と、黙って本を読んでいる一兵卒の日下部が、いつ回天(特攻隊の水中版)の潜水艦の中でケンカを始めるのか気が気でありません。

日下部は放っておいてもらうために、あえて将棋の勝負を受け、

減らず口を叩いて殴られて腫れた目をしながらまた本を読み、そのうちに回天が出撃して、祖父が死を覚悟しながら、気が狂わない為に日記を書き続けます。


都心の法律事務所は、アメリカのペンダゴンも目が飛び出そうなセキュリティとか、日本を買い被っています。彼が張り込みに使う喫茶店の年増のウェイトレスとかもひどいのですが、全部ジョークで、

カフェのゲーム機に毎日陣取るゲームオタクの老子なんていう食えないジイサンも生息しています。が、彼は野球帽の中に監視カメラを仕込み、法律事務所のスパイです。

長くて済みません、気に入ったので、2度読みしてメモとかしていました。

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