ちきうアネクドート

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ストレート・マン

ストレート・マン (ハヤカワ ポケット ミステリ)
ストレート・マン (ハヤカワ ポケット ミステリ) ロジャー・L. サイモン

早川書房 1988-03
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LAヴァイスと似た感じか、暗くないエルロイとか、80年代です。

アメリカの、どこかのバーに、ショービジネスへの登竜門の、芸人用のひな壇が3つあって、そこにフラっと立ち寄った主人公の探偵が、気に入った女芸人を拾って助手にします。

売れている人用の場所と売れていない人用の場所の格差があるとか、街角の大道芸人とかもそうなのか、そういうカルフォルニアの文物が面白いです。

タイトルのストレート・マンは、お笑いの、ツッコミ役の人のことで、ボケはファニー・マンです。

ボケがファニー(変てこりん)なことを言って、ツッコミがストレイトゥン(正しく直す)する、感じ。

それから、探偵は仕事柄、神経症気味で、自分のかかっている精神科医から頼まれた、よく分からない案件に手を出します。

その地区には麻薬を供給する異なった23のルートがあり、麻薬王のキングが、素敵な公園付き団地を経営しています。

ロールスロイルが通りかかって公園にバスケットボールを投げ込み、子供たちが歓声を上げる。

お互いビジネスマンだろ、成果の達成、人員の削減、嗅ぎまわる税務署職員などに悩まされている、と彼は嘯きます。

それから主人公は、統一教会の韓国人ギャングに襲われるのですが、彼らは、反共の砦ということで合衆国政府に優遇され、また、

冷戦当時に宗教が禁止されていた東欧圏に聖書を密輸するという、ルーマニア人の為のバイブルという慈善事業と結託しているようです。それはどちらも、どうやら詐欺で、

お笑い芸人の世界でも慈善事業は盛んで、そういうものの一部は、集めた金をそのままにしておいて利息で稼いだり、

製薬会社から期限切れの薬を仕入れて、差額をポケットに入れたりしているようです。

 

先に書いた麻薬王キングは、兄弟分の黒人芸人が殺されたりして、探偵の主人公たちと手を組む羽目になり、悪徳慈善事業のアジトをつきとめて、忍びこむと、

数人が大金を守っていて、壁に軍の戦略地図のようなものがあって、世界の独裁者からの感謝状なども添えてあります。

彼らは悪徳慈善事業者の悪玉を始末したあと、キングが、その金をかっぱらおうとするのですが、

アフリカの惨状をひとくさり述べた後、気が変わったのか、自由!とアフリカの言葉で叫んで拳銃自殺します。彼は黒人たちを救おうと彼なりに必死にやってきたけど、世の中に嫌気がさしたのかもしれません。

そのあと主人公たちが、通報したのか、パクったのか、外交がらみでヤバそうなのでそのまま逃げたのかは、定かではないのです。

といっても、こんなシリアスな雰囲気ではなく、アメリカが不況を脱しつつあった80年代初頭の街の明るさや、人種ギャグみたいのが多くて、リベラルな感じの探偵モノです。

 

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