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殺戮(バルカン)と絶望(ロシア)の大地

殺戮(バルカン)と絶望(ロシア)の大地
殺戮(バルカン)と絶望(ロシア)の大地 落合 信彦

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バルカンは欧州の恥部なのでしょうか。まともな報道を聞いたことが無いです、セルビア人に言わせれば、セルビア人を悪魔扱いする通説は全部嘘で、

50万人しかいないセルビア人が、300万人以上いるモスレムの女性をレイプするのは無理だし、

異常性欲者もそんなにいない、国連軍の雇った現地の兵士も荒れているとか。

アメリカの言う通り、国連軍が勝っているなら、モスレムがセルビア領内に、逃げてくるはずがない、このズレ具合、そのまんま旧日本軍です。

そのせいか落合信彦は歓迎され、6人のセルビア関連の重鎮に貴重なインタビューをします。

彼らは嘘つきの欧米人は追い払っていたそうで、世界一貴重ではないのか、コレ、マイナーですが。

私はボスニア情勢が知りたくて、類書をいくつか読んで全く意味が分からず、閉口していたので、ヤッタと思いました。

気合の入った正教徒であるセルビア人が、イエズス会などの東への道中、カトリックの布教に邪魔なので、昔から諍いが絶えなかったという、フリーメンソンP2みたいなことが書いてあります。

セルビアは寄せ集めの、北朝鮮並みに飛ばない核兵器を、イタリアに標準を合わせたとか。

彼らは戦闘機は持っていないので、空爆は怖いが、山に穴を掘ればゲリラ戦ができ、先進国は、地上軍を投入するのが死ぬほど怖いのだろうと挑発します。

ただ陸続きなので空爆などでヘタレは逃げてしまい、例えば日本でいえば自衛隊しか残ってないような状態のようです、俺たちは永久に負けを知らない精鋭だと強調、ブラフかもしれませんが、過去にチトーのパルチザンは、ナチスを撃退して、ユーゴスラビアの独立を守りました。

が、その欧米が、イスラム教徒のモスレムに味方したのは、わかりません、敵の敵は味方か。

日本にカトリックがいて、彼らがいきなり日本とは別の国を作ると言い出したら、どうするか、私たちの直面しているのは、そういうことです、彼らはと訴えます。

セルビア人を指弾する通説とは真逆のことを言っている為、眉に唾つけて読みますが、どこか空疎な一般の報道と違い、彼らの言い分が、心に染み入り良く分かります。

落合信彦も、胡散臭いところは、これは胡散臭いとか、地の文章で、ツッコミを入れていて、素晴らしいです。

始めは、ユーゴスラビア全体で平和な分割案を提案していたのだが、モスレムがもっとよこせとゴネた為に戦争になり、セルビア人に犠牲が出て、この犠牲のせいで、最早、妥協は不可能になったという、英霊の為に戦争が止められない、過去の日本も経験した例の魔の状態です。

インタビューを受けた4人のセルビア人の1人、在野の民族政党の大物は、俺はどこの政党にも属さないよ、何なら、大セルビア、日本独立党でも作ろうか、などとウィンクをしてきて、

まあ、確かに、日本の右翼も本気ならそうすればと思いました。筋が通っていると言えば通っています。違うインタビュイーも、泥沼に巻き込まれながら、国境線を変化させずに経済成長を達成した日本をモデルにしたいと言っていました。

彼らは話が上手く、詐欺師の口上にのせられて失敗したりとか、煽動されて極端な行為に走ったり、そういう側面はあるのかもしれません。

かといって、日本のように、政治がつまらな過ぎて、誰も選挙に行かないのも考え物です。

 

あと、野党のアンチ民族主義の人(4人目のインタビュイー、ドラシュコビッチ)が逮捕されたときに、ヒラリー・クリントンに助けを求めてしまったのも、泥沼化に拍車を掛けます。彼のせいでセルビア空爆にあったのか。

ヒラリーがどういうつもりか分からないですが、彼女の職業の弁護士としては、助けを求めて来た者は、すべて救います。どちらが正しいとかそういうことは関係なくて、被告人の人権を守らなくてはいけない。フィクサーとしての政治家もそういうところがあるかもしれません。

これが国際関係に混乱をもたらしたのかもしれません。クリントン大統領はNATOの介入を求めましたが、バルカン半島の怖さを骨身にしみている欧州は、もういいよ、というリアクションだったようです。が、例によってアメリカ主導でNATO空爆を敢行。

彼はまた、かつてナチスの手から逃れてアメリカに亡命した豊かなセルビア人がたくさんいて、彼らから献金を受けているそうです。北朝鮮にパチンコ成金が送金しているのとあまり似ていないですが、そういうことがあります。

 

で。セルビア人の重鎮に連続インタビューした筆者は、クロアチア人の方の真の声を取材したくて、誰にも見つからないようにコソボ入りします。

クロアチアカトリックなので、過去の神聖ローマ帝国や、オーストリアなどに、親和的で、大きなものには巻かれろ体質で上手く泳いでいます。一方セルビア人は、気骨の士とか。

今回のセルビア人悪者扱いもそういう流れがあると示唆し、クロアチアが大国のケツをなめてセルビアの領土を奪っていく、それがナチスに抵抗し続けたセルビア人には我慢がならないのかもしれません。

クロアチア人は戦中にナチスに強力して、セルビア人を虐殺しています。今度は弔い合戦だというわけです。

 

セルビア統治下のクロアチア人は、クロアチア語を学ぶ権利はあるが、差別されて要職に全くつけず、90パーセントが失業中という、中国の少数民族の扱いよりひどいです。

セルビア人、クロアチア人、どちらも、日本や韓国の工場に来てほしい、俺たちは勤勉だと言います。

それは日本人のインタビューへのリップサービスではありますが、欧米への恨みは深い。いくら現地の人がそう願うとはいえ、自分たちの庭では、ヨーロッパの人々もアジア人には何もさせないかもしれません。今だと雑草魂の中国辺り、行っているかどうか。

クロアチア主義、大セルビア主義、大アルバニア主義、汎イスラムなど互いが互いを併呑しようという動きが、まさに泥仕合とか。

筆者も戦争を止めたら工場を建てるとか、国連は工夫しろよと言っていますが、あまり聞きいれられた気配もなく、自然収束していきました。

そうして生活基盤は破壊され、今の欧州のアンダー・グラウンド(地下経済)では、チェチェン人などと並んでボスニア出身者が多いようです。

 

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