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無国籍

無国籍 (新潮文庫)
無国籍 (新潮文庫) 陳 天璽

新潮社 2011-08-28
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インテリの台湾華僑の女性が、何となく無国籍を選択して、無国籍者をインタビューしていきます。

何となく無戸籍、というのは、何となくクリスタル、に似ているか似ていないかわかりませんが、

本人はどこの国籍も取れるくらいのエリートで、国連職員なども経由したことがあるようで、

きっと親族なども資産家なのだろうし、

彼女たちのインタビューする、何が何でも国籍が無いと生きていけない人とは雲泥の差です。

底辺の人たちにとっては、アイデンティティとか言う暇はなく、平和な土地の国籍なら何でも良い。

国籍は長い人類史では、かなり最近のもので、その地で生まれればその地の国籍が取れるとか、両親のどちらかがそこの国籍をもっていないと国民になれないとか、国によって原則はバラバラで、その兼ね合いで、二重国籍者がでたり、無国籍者がでたり、統一されていないようです。

日本の制度は、あんまりよくないね、ということが、指摘されがちですが、それを、世界の制度などと比べて、スッキリ書いた本は見当たりません。

昔の人は、飢饉や政変がおきるたびに近隣へ流民していて、現地の人と縄張り争いになったり大変です。

近代になって、膨大な数の人々を国家ごとに管理する制度になり、人々の移動の扱いは、さらに厳密になります。


イスラム諸国は互いにイスラム教徒に甘いようですが、アジアにはそういう連帯感というか、国籍の相互融通はありません、あったとすれば戦中です。

日本の中華街に住む筆者も似た構造を抱え、元々は祖国が台湾と中国共産党に分かれたので、どちらも選ぶ根拠がないし、選ぶのをやめたという、高等遊民です。

だから納得感は薄いです、読んでいても、あ、そう、という感じ。

国連の職に応募したら国籍がなくてつけなかったそうですが、それでも国籍を選ばない、というところに読者が何を感じるか。

国連職員の座を犠牲にしてもキープしたい、国籍を選ばないというアイデンティティ、それが彼女にとって何なのか。

金融マンや教授とかで、異邦人タイプの、バックパッカーや立ち飲み屋が好きな人とかいますが、それの女性版か。

フィリピンパブなどで働いていた女性が、お客さんと良い関係になって、子供が出来たが正式な結婚はできず、そういう人たちがインタビュー対象です。下の方の無戸籍者は、そういうシャレにならない状態で、その子供たちは、教育が受けられず、スラムでトラフィッキングにあったりします。中国で悪名高いヘイハイズ(かつて法律で禁止されていた、2人目以降を生んだ為に、戸籍を付与されなかった子供たち、多くは闇へ売られていく)は日本にもいまいた。

 

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