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ビッグデータ・コネクト

ビッグデータ・コネクト (文春文庫)
ビッグデータ・コネクト (文春文庫) 藤井 太洋

文藝春秋 2015-04-10
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マイナンバー制度や公共サービスを実施している地方自治体などが委託する、ITインフラの公共事業がテーマです。

1990年代以降、公共事業には土建に代わりITがメインになってきますが、ITは土建以上の下請けピンハネ構造です。

5次請け、6次請けなどヒドイ実態が明らかにされつつ、警察のインターネットの捜査部門のようなところで話が進みます。警察にも腰掛けエンジニアが、捜査官として雇われます。腕っこきのシステムエンジニアがヒーローなのは、彼の小説のいつもの通りです。

 

日本のIT業界は、上はベースになるアメリカのシステムに使用料を払い、下からは中国やインドの安い開発力などに追い上げられる、苦しい状況にありますが、そんな中で役所のシステム構築は、数少ない餌場のようです。

で、その役所のシステムが、庶民を奴隷化できるというか、かなりヤバ目の人権侵害物件でした。

無理な仕事を無理にでもこなさないとクビになるという恐怖から、エンジニアたちがシステムの犬になっているなど、哀愁が漂います。

日本人は凡人だらけで、出稼ぎにきている中国人IT技術者がやり手で、

まあ日本は雇用条件もイマイチで、やり手の人は欧米へ行くようになっているので、仕方がないのですが、

政府を敵に回してしまった内部告発者のエンジニアが、中国に逃げてどうのこうの、みたいなどうにもこうにもなオチになっているのが、リアルです。

かつては公共事業で道路を作っても、せいぜいが公害くらいで、人権侵害する恐れはなかったですが、怖い時代です。

 

かつて公共事業と言っては、無駄な道路を作りまくったと非難されてますが、この先も、公共事業とか行って人民をサイバー奴隷化する危ないシステムなどを作ろうと思えばいくらでも作れます。テロ対策ガーとか、脱税対策ガーとか言っていたら、預金封鎖で巻き上げられたりしそうです。

雇われるエンジニアの方も、食っていく為には、なりふりかまいません。

公共事業も食うに困ってヤクザ化しているというか、原発とか、兵器とか、賛否両論の危ない物件が増えてきました。

それを言ったら、他の国もヤクザですが、いろいろ怖い時代です。怖くない時代が、あったのかどうかも、ようわかりませんが。あらゆる時代と場所に、そのときどきの人権侵害がありますが、今時の人権侵害といえばこんなんでした。

 

 

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