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東ドイツで目を付けた市民を監視していた、諜報機関のシュタージは、旧ソ連KGBより優秀だったという噂です。怖い怖い。

しかし、彼らはインテリで、芸術などを解するらしい。

彼らのマークする監視対象の劇作家はなかなかの人徳者で、盗聴されていた恋人との会話などを通じて、監視者のシュタージを気が付かないうちに感化します。

感化された役人たちは、自分たちのストーキングが、悪い事のような気がしてきます。そして反省タイムです。

監視者のシュタージは悪い人ですが、悪いのは体制であって人ではなく、彼らは改心します。芸術を抑圧するのは良くないことだと。

静かな進行で、全ての登場人物の心の動きが大人しい。ドタバタもなく、大人向けか。

オウムや911以降、監視体制反対、なんてことが左方面から叫ばれますが、監視体制に切実な思いの無い人が見て面白いかどうか、褒めている人の多いアマゾンは皆さん大人です。

何しろ監視対象の人徳者が、東欧の悪い権力を感化するという、良い子さんなシナリオです。

しかし、そういう監視を通じた双方の心の交流が起こる、双方向型監視という、良く考えると薄気味悪い感動作です。

シュタージの監視者を改心させることで、映画は体制側の敗北を歌い上げますが、

これでは監視者側が監視対象に感情移入して改心することもあるから、権力の監視は人間的行為でもあるといえないことはありません。

そこはかとなく納得のいかないメッセージです。人間的行為なので、やってもいいのか。

この東ドイツのシュタージによる監視社会は、過ぎ去った災厄ではありません。

昨今、アメリカのテロ対策など、権力サイドの国民監視は強まる一方です。

ハリウッド映画などもアメリカ当局に監視されながら作っているのかもしれず、これはドイツ映画のようですが、当局に負けずに人々を感化してやるという宣言か。

世界へ影響力の絶大な映画、検閲は避けられません。

テロ対策などで監視は避けられないのだから、互いに節度を持とうということか。

 

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