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ユダヤ教

ユダヤ教 (FOR BEGINNERSシリーズ)
ユダヤ教 (FOR BEGINNERSシリーズ) チャーレス スズラックマン 中道 久純

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ユダヤ教は、世界の住人が全部ユダヤ教になったら成り立つのだろうか、と思いますが、彼らは普及を目指していないので、意味の無い仮定ですが。

星には何の力もない、天と地の創造主がいるだけだ、と星座占いなどをしがちな各文明から自らを差別化します。

ユダヤ教には偶然も運命も無い。ユダヤ人はそのあり方によって空の星にもなり、人々に踏みつけられる地の砂にもなろう。

神は艱難辛苦するユダヤ人たちに旧約を与え、イスラエルという安息の地を与えたというが。

いきなり分裂していたり、他の民族と生き別れになっていて、

こことここで血統が分かれて、こちらに分かれた自分たちがユダヤ人なのだとか、教えの内容がリアルですごいです。

地政学的に安定しやすかった中国や日本には無い文化です。

過去を理想化する諸民族と違い、奴隷から始まり、安息の時代を待つ、一日が日没に始まり、日昇を待つ、聖書の歴史観です。

文言自体が、挑発的で、思索を促します。

人は一生その悪性と格闘していかなければならない、もしくは、ユダヤ人自身が生み出した宇宙のビックバンセオリーと神の関連など。

ユダヤ人科学者も多いですが、科学はユダヤ教の延長線上と思えるところがあります、机上の学問ではなく、存在意義を賭けた切実な問いです。

東洋では、蝶や水を比喩に使い、誰が上手い事言えと、というような名言が、適時、適当に利用されているに過ぎないが、

そんな自然すら無い砂漠の民の考えた骨だらけの概念は、必ず矛盾を含み、考えることを止められないような感じ。

トーラーは日本や中国の、過去の名言で落としどころを探る消費のされ方とは違います。過去には苦渋しかない、未来しかない。

安息日などは、律法学者の解釈などで適当に調整していそうです。でなければ生き馬の目を抜く現代社会でサバイバルできるはずはない。し、ユダヤ財閥の噂なども立たない。

奴隷の時期を持ち、7日に1日の安息日をもうけるユダヤ教の労働スタイルは、マルクスから見れば奴隷の宗教、ナチスから見ればアカの手先です。結果、どちらからも迫害されます。

環境は流転する為、絶対的な法則はないとするが、ユダヤの知恵の散逸を防ぐ為に、トーラーを書きためまくるとか、アイデンティティの危機を何度も経験したり、知識の迷宮です。

土地を持たない放浪者の彼らが、国民国家の成立から刺激されて多くの知識人を産んだのもむべなるかな、フランスやドイツの国民になればユダヤ民族としてのあり方はいらない、とか、近代に入ってからも過激な思想と格闘します。

原作者はユダヤ教の人なのか、ヘタウマな絵との絶妙なコラボが読みやすいです。

恐らく文章では成り立たない、神と人との、自問自答的な漫画のコマなど、完成度が高いです。

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