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青の時代

青の時代 (新潮文庫)
青の時代 (新潮文庫) 三島 由紀夫

新潮社 1971-07-27
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光クラブとかいう、戦後の事件がモデルで、三島由紀夫ふうに陰影を刻まれた主人公が、東大在籍中に、金融詐欺に手を染めます。

ホリエモン村上ファンドの事件のときに、例に出した人がいましたが、スケールが小さいです。

学生で街をフラフラしていた主人公が、フラっと入った謎屋で投資信託の詐欺にあい、落ち込んで悪友にグチると、

そうそう、街には金が魚のように何匹も泳いでいて、その一匹が釣り上げられて刺身にされただけだよ、と笑われ、2人はこれなら俺にも出来そうと思ったのか、ノリで詐欺の事務所の設立をします。

途中、医者の妻ある母親と、共産党の従弟が主人公が金融ビジネスをやっているという噂を聞きつけて、1つ説教をしに事務所を訪れます。

それで従弟に趣味の悪いネクタイを買ってやって、共産党という間違った思想を矯正してやった気分になったり、

母親の聞いた息子が取り立てに行くときの足音が、空の財布を落としたような音だったとか、

金貸しを憎む共産党員の従弟が、貴族の取り立てに興奮したりとか、一通りのネタは入っています。

三島由紀夫は大蔵官僚だったから、興味がないことはないのかもしれないが、その金融詐欺がどういうスキームだったのかとか、全然でてこないです。

詐欺師の心の闇というテーマはつまらない、やはりスキームに触れてくれなければ、リーマンショック後に出たウォールストリートの映画のほうが良いです。

ストーリーも恋人が、税務署のスパイだったとか、適当で、三島本人も満足してない、出版したのが不覚とボヤいていたと書いてあります。

主人公が共同設立者の友達に、お前は社会的淫売だ、人を理解し、理解されることを求める淫売だ、とか言うくらいです。

そういう屈折の表現は、今は沢山出ている金融詐欺師の体験談とかにはあまり書いていません。

ドストエフスキー罪と罰は金を借りて金貸しを殺す話ですが、金貸しサイドからの文学はあまりないのか。シェイクスピアベニスの商人とか。

儲かればいいのです、の10文字で終わりそうで、文学もクソもないですか。

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