ちきうアネクドート

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ガダラの豚

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)
ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫) 中島 らも

集英社 1996-05
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UFOや呪い、奇術の類のテレビの全盛期、1980-90年代くらいに、民俗学の研究者としてドロップアウトした教授が、やさぐれて飲んだくれながら、テレビに出ずっぱりです。

映画を撮る費用が欲しくてテレビに出ていたビートたけしと同じで、彼は本当はアフリカに戻って研究がしたかったのでした。

そのうち何かの巡り会わせで、とうとう、テレビクルー付きという条件ではあれ、アフリカへ研究旅行へ行けるチャンスが回ってきて、村人が全員呪術師の村があります。

そこで神父が近代医学の診療所を開いていて、村民には慕われて、現地のマジナイと共存しているのですが、ある日村を訪れた違う呪術師に、呪われろ、とか言われて、教会は寂れて行きます。

クリスチャンの神父は、私たちはいたるところで2000年以上呪われてきた、慣れている、と言いますが、

彼はある日、昔共に働いていた看護婦におまんこしようと言われる幻想を見て、顔に大きな寄生虫が湧いて死んでしまいます。

日本のテレビクルーは、放映用のネタのつもりで、その呪術村を脅かしている、アルビノで盲目の、ヤバイ呪術師に会いますが、彼は次々に奇跡や呪いを起こします。

ただ彼は、アフリカの現地の軍に保護されていてセスナなどを持っていて、衛生学から針きゅうまで幅広い知識を持ち、

それが呪術なのか普通に科学を利用したのかわかりません。


エシュロン(欧米がGPSなどを利用して世界に張り巡らせている諜報網)がどうのこうのとか、微妙に触れる程度です。

主人公のアフリカ民俗学の教授は、平安時代頃の有名な呪術師の大部何とかの子孫だと、現地のアフリカ人に図星をつかれます。

しかし昔の日本はアフリカと同じ状態で、政敵を呪い殺したりしていて、似たようなものだったことが思い起こされます。

神道修験道の炭の上を歩く奇術とかが、祭りのテキ屋などに伝わり、かつてはサーカスのように民衆の人気を集めていたそうです。


それで彼に呪詛を吐かれ、撮影部隊の人が何人か死にます。テレビ局は死人が出て不謹慎なのでVTRをお蔵入りにします。

が、帰国後の関係者が引き続き怪死していくのを見て、

山師のプロデューサーが視聴率低迷の起死回生にこれを使おう、と言い出します。

折も折、その呪術師が来日し、アフリカ人は麻薬ビジネスの東京市場を持っているのですが、そのラインから、クスリを買っている敏腕プロデューサーを操ります。

事故のせいで左遷された彼は、ふてくされて薬に溺れています。

はたまたワーカホリック気味の局員を操って、VTRに殺というサブリミナルを入れさせて、視聴者を狂わせて、生放送で、さあ狩の始まりだ、とか、最後の方は適当です。


クリスチャンの神父は奇術NGで合理的に書いてあります。医者のようなもので、私はキリストの使徒でキリストではない、とか。

ヨーロッパでも布教先の現地民の歓心をえるためにトリックとかまじないとかやると、邪教扱いされて他の聖職者とモメたり、紆余曲折があったようです。

昔の聖職者たちは、キリスト教神学に拘りがあり、同じレベルに落ちたくないので、呪いで突撃してくる現地民の集団を、皆殺しとかにしていたのかもしれません。

呪術関連、総まくりなスケールの大きい小説ですが、一気読みできます。

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