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クラシックシリーズ9 千里眼 トランス・オブ・ウォー

クラシックシリーズ9 千里眼 トランス・オブ・ウォー 完全版 上 (角川文庫)
クラシックシリーズ9 千里眼 トランス・オブ・ウォー 完全版 上 (角川文庫) 松岡 圭祐

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筋書自体は子供向けながら、自衛隊イラクの部族などのマニアックな書き込みが良い感じです。

自衛隊空軍のパイロットで臨床心理士をしているヒロインが、イラクの戦闘地域で起きているイスラム原理主義者による日本人誘拐事件に巻き込まれます。

前半は、主人公が空軍パイロットに選ばれる過程が書いてあります。

偶然、国境付近での紛争で人命救助に活躍した女性パイロットが世間の脚光を浴び、それに便乗した、自衛隊の広報戦略として、その後釜を探す、女性だけの選抜試験が行われます。

それは、一見、実力主義でありながら、大臣の娘(自衛隊の娘がいる大臣というのもスゴイですが)が選ばれることが決まっているヤラセ試験です。

船が座礁して、救助のヘリコプターに1人しか乗れない時に誰を乗せるか。

政治家が俺を載せろと騒ぎ始めたりとか、やはりアメリカ軍の士官が俺を載せろと発砲したりとか。

それはテストなのですが。

そういう救出活動では、民間人より偉い人=政策決定にかかわる人たちを優先して選ぶのが、自衛隊的には正解だそうです。ヒロインはこのとき民間人を選び、最低点を付けられます。

大臣の娘も根性が入っていて、他に複数のライバルがいますが、訓練でのし上がっていく、女性無双は面白いです。

自衛隊の闇の深さというか、良いところも悪いところも書いてあります。その闇は、武器を持つマフィアとしてのソレでは全くなく、通俗的な官僚的なソレです。

それから、アラブの原理主義者を前に、戦争をやめるためのロジックを解くシーンが、

ヌルイというか、日本人のヌルさを反映しているようで悪くないのですが、後半に入ると食傷します。

このシリーズは元々、ヒロインが世界的陰謀に立ち向かうみたいな子供向けの筋書らしいので、その辺が気にならない人向けかも知れません。