ちきうアネクドート

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もの食う人びと

もの食う人びと (角川文庫)
もの食う人びと (角川文庫) 辺見 庸

角川書店 1997-06
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人肉、チェルノブイリ汚染食など、一筋縄ではいかない食事が出てきます。とりあえず、食べないという選択肢がないのはすごい。

途上国で出された食事などを食べると、激しい下痢、下手をすると肝炎などに掛かるので危険ですが、辺見さんは体が丈夫のようでうらやましいです。

もちろん人肉などは実際に食べたわけではなくて取材ですが、それもタブーなのでなかなか話してくれないし、ようやく教えてくれたのは犬の肉に似ている、ということでした。

犬の肉と言われても、それも分からないし、カオスです。

べつに途上国の窮状を知る為に読んでもいいのですが、ただの与太話としても読めます。

帯に食の黙示録とか書いてあるし、この本のタイトルで検索したら、上の方に、読書感想文コンクールというのが出てきます。

しかしそんなリードをつけられてしまった本書ですが、杓子定規に解釈されることを嫌うと書いていた人だけに、あらゆる脱線、裏話的面白さに満ちています。

日本向け猫用缶詰のほぼすべてを作っているタイの工場で時給82円でカツオを解体する仕事をして、毎日50円の昼食を食べている女の子に、日本の猫のための缶詰を作っていることをどう思うか。

派遣労働者などに、秋元康の家で飼っている犬のドッグフードがお前の食費より100倍高いけどどう思う、とか取材するようなものですが、淡々と答えてくれます。

私は貧乏なので、賞味期限切れの食べ物を平然と食べてしまうなど、先進国に住んでいる割には、途上国民に近い感覚の持ち主ではあると思うが、じゃあ海外へいって思う存分飢えてきてくださいと言われると終了です。

ここに載っている食事のほとんどは当たりそうで怖くて食べられないのは、衛生環境の整っている先進国民の体力的限界です。

しかし最近では乾燥地などでも育つ遺伝子組み換え食品で、そのうち飢餓も解決されるそうですが。シュールな世界になってきました。

インドのカレーなどは激マズで、いくらお腹がすいていても食べる気にならないとか聞いたことがありますが。これも味のほうは割と適当みたいです。味がどうのというよりは、食べた時の背景などの書き込みに味があります。

一日炭鉱に潜った後のスープなどは涙が出るほどおいしいとか、コンディションの関係もあります。

美味いか不味いかでいったら、不味いの一言で済まされそうです。

世論はグルメ、グルメの狂想曲ですが、たまには求めてマズメシを食うのも、人生修行の為には良いのかもしれません。

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