ちきうアネクドート

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ダーク・ムーン

ダーク・ムーン〈上〉 (集英社文庫)
ダーク・ムーン〈上〉 (集英社文庫) 馳 星周

集英社 2004-10
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筆者は有名なデビュー作の不夜城では、歌舞伎町の中国人を書きましたが、その世界版を書くとは、思ってもいませんでした。日本人とは思えません。

大平洋に股をかける中国マフィアの実録モノの臭いがありながら、カナダの警官モノというハリウッドっぽさも漂っていて、掘り出し物です。

カナダやアメリカで中国マフィアに焦点を当てるというのは、ハリウッドなどでは見られないし、かといって日本人もあまり情報を持っていないので書かれません。

アメリカやカナダに散らばっている中国のマフィアというか半グレのような人たちを知ることが出来ます。

舞台になるバンクーバーは人種の坩堝で、広東語、北京語、英語、フランス語など、いろいろ混じってて、ルビが広東語になったり北京語になったり、シャレています。

地元を徘徊するゴロツキにタカっている中国人警官とか、頭に覗き見野郎を飼っている情報マニアの元日本人警官とか、政略結婚で妻を忌避している日系人警官とか、キャラクターも立っています。

マフィアの人間関係も、13賢老とかいちいちカッコイイです。

中国のマフィアは、本土のマフィアたちとつながっていて、将来的には広域捜査みたいになるのかもしれませんが、警察は大変そうです。

チンピラを書くことが多い馳星周では珍しく、エリートが多いので格好いいのですが、それでも移民が白人社会で生きていくためには、いろいろ大変なことが多く、脛に傷が発生するようです。その辺がハリウッドの警官モノでは出せない味になっています。

アジアの移民という共通項が思いがけず発生し、甘酸っぱい気持ちになります。

日系の移民は戦前に強制収容所に入れられてからつるまないので、彼らが現地でもアジアの泥沼の中で生きているというのは、他ではほとんど見られない状況です。

 

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