ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

リアルワールド

リアルワールド (集英社文庫(日本))
リアルワールド (集英社文庫(日本)) 桐野 夏生

集英社 2006-02-17
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コギャルブームの頃の、受験シーズンの女子高生たちが4人、タラタラと受験生活を送る中、

女子高生の1人の隣の家の根暗そうな男子高生、ミミズが親を殺して逃亡します。

その突拍子のない事件が、本音を隠して日常に適応している女子高生たちのアンテナに引っかかるものがあり、彼女たちはそれぞれの動機から、ミミズの逃避行を助けます。

ジャンヌダルクでも密通でも何でもいいですが、誰かが陰鬱な秩序を破ってくれると、人々にカタルシスがあります。

ミミズは、逃亡を助けている女子高生を一等兵などと呼び、俺はフィリピンで引き出されて拷問に会う日本兵だ、などと妄想が入っていて、

母親は俺の領土を侵犯してプランテーション経営をしたから殺した、などといいますが、

途中で逃亡を助けた女子高生に迫られたりして、フヌケになってしまい兵士の語りが終了してしまうなど、憎めません。

彼らは、プランテーションの中の、どの奴隷が自分の味方なのか分かりません。奴隷主を刺した彼は、英雄なのか犯罪者なのか。

4人の中で人気の美人、キララは勢いでミミズと寝ますが、

元々、システムに叛逆した英雄でなければ歯牙にもかけていない相手なので、

すぐに破たんして、交通事故で死ぬなど、バットエンドです

人々はシステムによりかかりながら溺れかけた魚のように口をパクパクさせて息継ぎのできる孔を探していますが、一旦、事が起これば、その事件を祭りとして消費して、外の空気を取り込んだシステムはますます肥え太っていくようです。

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