ちきうアネクドート

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独居45

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独居45 吉村 萬壱

文藝春秋 2009-09-25
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文学賞を取った売れない作家に町内の講演会が舞い込みます。

彼は、老人たちの前で、ポルポトスターリンの話をつらつらと始め、あなたたち日本人は虐殺から無縁だと言えるのですか、

などと司会者を糾弾し始めて、会場は変な雰囲気になって、

窓の外でカラスがカアとなき、そのとき群衆はカラスは自由に外を飛んでいて羨ましいと思います。


人殺しはやむないともいわず、人殺しはいけませんでもなく、人類はクズだからしょうがない。

で、あんたはその現実にたいして何をしてんの?と他人に言われると、もろ肌になって体中にある自傷行為のエグい傷を見せて、ますます会場の人々に引かれます。

頭の悪いのは罪というのが良く分かり、そういうことをやりたければキリストみたいにスマートにしないと駄目か。


はたまた、男性社員に公然と体を触られ、女性社員にはお弁当にゴキブリを入れられたりしているマゾのOLがいて、

彼女はゲイご用達の映画館に入り浸って集団レイプにあったり、夜の住宅街を裸でうろついていますが、

実は昔、日本のどこかの街が襲撃されたときに住人が虐殺されて、彼女だけは逃げるとか叫ぶとか子供を守るとか普通の行動をしなかったので、重宝がられて敵将のパシリにされたという、最後の生き残りだそうです。

最後に、それが全部、作家の創作であることが分かって、夜の住宅街を裸でうろついてるのはこの作家だったようです。


この作家は見た目はイケメンですが、スーパーで万引きして、目の合った主婦に、お前はそのもも肉を買うのか?と話しかけて去り、後ろ髪を引かせます。

また、うらぶれた理髪店の店主が、霊の垢を落としましょう、つやつや教という新興宗教をしていて、

彼はこの男前の作家に惚れてしまい、浴室をのぞいて股間にテントを建てたりして、心を鎮めるために、もしくは老いらくの恋の成就を願ってか、ますます玉磨きにせいをだしたりするのですが、彼が血迷ったせいかつやつや教は傾いていきます。


作家は自分の家の屋根に、傷だらけの女の裸のオブジェを載せ、中にスーパーで買ってきた肉を詰めていて、

始めのうちは小学生のピンポンダッシュや石投げの対象になっていたのが、不穏だということで住人の糾弾の対象になっていき、

ある日オブジェの中身の肉を詰め直しているところへ住人が押しかけて彼に石などを投げ始め、それを作家のファンが撮影してネットで流したりします。


女性の裸とか頻出しますが、作家本人(男性)はマゾ臭い本を多く物している人で、人の商品価値の無力化というか、老人が自殺して川流れしたりします。

全ての人は肥溜めの中に生きていて、虚構を取り去れば若いOLの裸もただの糞袋と化す、みたいな世界です。

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