ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

エンドレス派遣村8

 


「「赤谷と紺谷が、グアムのビーチを水着で闊歩、アバンチュールか、アコギな商談か」だって。ウケル」

「お前、赤谷とか知ってる?」

「ここホワイトコンビニでよかったですね。俺ら赤谷世代じゃなくて、よかった」

「わからんよ、白谷とか黒谷とか、もっとすごいのが出てくるかもしれないジャン。

何しろ、霞が関が派遣になってるくらいだし、聖域がないんだよ」

「あ、これ本当だよ。見たし。この間の休みに、行ったんだけど。グアム」

篠原が、土産物屋で並んでいると、後ろから来た中年カップルに、「ちょっとどいてくんな、貴婦人が大量買い付けするからな」とか言って押しのけられた。

その割に、彼らは変なキーホルダーを2個くらいしか買って行かなかった。

紺谷は水着でサングラスをしていて、赤谷は素顔だった。

周りは外人が多くて、誰も気が付いていなかったから、気のせいだと思っていた。


「グアム行ったんすか。そういえば日焼けしてますよね。今度、俺たちも連れて行って下さいよ」

「旅費、7:3くらいならいいよ。

たまに、子供の面倒とか見て欲しいかもしれない。

あとは、別行動しても良いし」

「旦那さんは、忙しいんですか」
「同職だから。彼は常勤で残ってる」

「別行動って、篠原さん、イケメン、ナンパしたりするんですか?

俺たちは、ハワイの娘とかナンパしても、スカンピンで相手にされないと思うんだけど」

 

 


失脚した鼻毛出太郎は往生際が悪かった。何度も電話してきて、金貸してくれとか。俺だって持ってネーヨ。

「俺、あと10万くらいしか持ってないよ。紺谷さん、大丈夫か?」

「私も似たようなもんよ。

親戚に会いに行っても、知らない人のフリとかされるし。

年金は払ってなかったから、貰えないし」

「他人なんてそんなもんだよ。

こっちが調子のいい時は、這いつくばって靴を舐め、

落ちてくると寄ってたかってボコボコにする」

「それがあなたの人徳というものじゃないかしら」

「姉さんは、自虐がきついな」

明るすぎる南国の太陽が、彼らの肌を焦がした。

「俺たちはやりたいことやっただろ、南の島で、干からびて死ねばいいよ」