ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

アメリカはカモじゃない4

 

麻原は、5年前に自衛隊に入隊したが、任務に不必要なレベルで、過剰な攻撃性を見せるなど、隊員としての適正が疑われ、除隊になっていた。

防衛省では、彼の入隊記録を抹消した。

アメリカが極東から撤退の姿勢を見せている今、日本が軍事独立できるかどうかの正念場だった。

彼のような粗暴な人間は、野放しにしておくと、どこかで事件などを起こすかもしれない。

自衛隊員が世間を震撼させるテロ事件を起こすなど、想像するだけで四方田は眩暈がした。

下らないスキャンダルに巻き込まれるのは得策ではない。

 

 

「大浜さん、公聴会、お疲れ様です」

四方田たちは、こういうときなので、行き違いなどがないように、互いに声を掛けたりしていた。

相互に意思疎通を図り過ぎて、意見の相違が表面化しても困るが、

防衛省も所詮、ただの人間の集まりだった。

各メンバーにヒアリングをしてみれば、極右から極左まで、意見の違いが浮き彫りになるに違いない。

だからここの職員は、痛くもない腹を探られたくないし、私的な意見を人に漏らしたりはしない。

米軍の兵力や武器に、どの程度依存するべきかとか、細かいところで相違はあった。

例えば憲法9条

しかし、どんな法体系になっていようと、

つつがなく出動して、日本人の生命を守る活動ができるようにするなど、最低限のコンセンサスがあった。

 

 


「この中で、イラクに行きたくない人は、今すぐ席を立って帰って良いです。交通費は支給するので、取りに来てください」

ハーシェルたちは、知らない土地の、綺麗なビルの一画に詰め込まれていた。飛行機なんて久しぶりに乗った。やはり応募者は多い。あんな好条件、見逃す奴はいない。

ごく普通の企業面接の雰囲気だった。まるでホワイトカラーと言う感じの。


あちらこちらにチラホラ、面接官が立っている。心なしか、アジア人が多い。

その中の1人がホワイトボードの前に立ち、勤務地がイラクというところまで説明した。業務内容の話はまだ、毛の先ほどもでていなかった。

誰かが手を上げて質問した。

イラクって何処ですか?危ないところですか?」

「そう、危ないところです」

「命を落とす可能性は」

「無いとは言いません」

パイプ椅子がガタガタと鳴り、応募者の席から、3分の2以上が消えた。

ハーシェルは自分が何故座っているのか不思議に思った。

隣の席のソニックを見たが、彼は惚けたような顔をしていて、腰を抜かして動けないようにも見えた。

 

広告を非表示にする