ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

アメリカはカモじゃない9

 

「こいつらは、プロの傭兵。装備は互角だ。

何しろ、このスイート・ハニーたちは、イラクのアメリカ駐屯地からかっぱらってきたんだからな」

ジャーミアは隣にある戦車をポンポンと叩くと、兵士たちに、敵兵を遠くから映した画像を、プロジェクターに投影させて見せた。

綺麗に並んでいるというか、間の取り方などに、均整が取れていて、烏合の衆と言う感じはしない。

特に訓練を受けたことがある者なら、コレがプロの部隊だと分かる。

「俺たちの訓練度には、バラつきがあるから、

ココは昔、CIAに訓練を受けた古参兵もまだ残ってるけど、ほとんどは素人だ。

それで、こっちの、変なジャージが混じってる方は、素人だ」

ジャーミアが、もう1つの映像を見せた。

一部の人々が、迷彩服を着ている以外は、マーケットの人々や、難民の群れなんかと変わらない並び方をしていた。

「こいつらを叩いても、十字軍連中をビビらせることにはならないかもしれない。

素人なんて、いてもいなくても、同じだし。

何の目的で投入してきたのか、俺にもわからない。

前に日本人でチンコついてない男っていうか、何かそういうのがいただろう。自分で興した傭兵会社の社員だっていう名刺を持ってた。

日本人はアレで大騒ぎしたから、この素人も生け捕りにして、アブグレイブ方式で晒せば、金が入ってくるかもしれない。

十字軍の連中はホイホ金を払うから、ボロい」

 

 

 

「何か戦車とか見えますけど」

双眼鏡を持った歩哨が叫んだ。

レッド・ネックと日本人連中が混じり、適当な英語が飛び交った。

「え、俺たち、戦車の乗り方とか習ってないじゃないですか」

「っていうか戦車自体、無い」

「誰ですか、機関銃持ってラクダで来るとか言ったのは」

「それは遊牧民のゲリラとかでしょ」

「ダーイッシュは、戦車とか持ってますよ。イラク軍から強奪したのか、北朝鮮から輸入したのか知らないけど」

「逃げるのは良いですが、あまり逃げてばかりだと給料でないですよ」

「どうしたら給料が出るんだよ、この仕事」

「だからダーイッシュの兵士を、生け捕りにしたらです。殺したら半額です」

比嘉は、当初何度も説明した仕事の条件を繰り返す。

 

 

 


ブラック・ウォーターと自衛隊の共同の駐屯地。アメリカ軍の少尉レベルの男が、2人ほど駐留している。

彼らは素人部隊のキャンプ地への、戦車の到来について、情報を集めた。

ロシア軍の空爆で、ダーイッシュの一部が、戦車ごと、素人部隊の方へ避難したという噂だった。

中村はため息をついた。どうして日本はあんなものに手を出したのか。

自衛隊は、多くの努力もあり、使い捨てみたいな扱いを受けることは少ない。アメリカ軍からしたら、ここにいるブラック・ウォーターと良い勝負なんだろう。

ただ自衛隊は一応、日本国がケツモチだ。もちろん、頼りにならないこともあるが。

2つの集団は、こうして米軍の指揮下に入り、共同作戦を取ることがあるが、派遣に至るルートは違う。

一方に、日本人の経営陣を抱く、レッド・ネックの素人部隊。不吉だ。

あんなの、どうでも良いんだけど、戦力にならないし。

むしろ関わり合いになると、プロが素人を盾にしたとかロクなことを言われないから、無視したい。

アレはアレで、別の指揮系統で、勝手にやってほしい。

中村はブラック・ウォーターの人に、片言の英語で、アメリカの方針と、戦況を聞いてみた。

「空は、ロシア軍に任せるんですか」
「うん。だってダーイッシュは変なロケット・ランチャーみたいの持ってて、たまに当たるから」
「ロシアの戦闘機なら当たっても良い」
「アメリカは戦死者が出ると、人々が煩いだろ。先進国は、人の値段が高いんだよ」
「ロシアも出たがってるし、良い取引なんですか」
他の自衛隊員が横から口を出した。
「ロシアは人口少ないのに、よく消耗しますね。
チェチェンとかグルジアとか、戦線拡大しすぎじゃないですか。よく人の補充が効きますよね。
どこかから人、誘拐とかしてないんですか」
「祖国防衛戦争っていうのか、ロシアだと。前の大戦のときの爺さんパイロットとかが、乗ってるのかもしれない」
「ハハハハハ」

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