ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

アメリカはカモじゃない12


「人質を檻に入れて晒すだあ?よくもそんな作戦を思いついたな。クソの考えることはやっぱりクソだよ」

「あんたらがオレンジの囚人服を着せて首切り動画を世界に発信しているのと同じだよ。

私たちには法律で人殺しが禁止されているし、人々は残虐な行為を好まない。あんたらと違って、文明的なんだよ。

だから、殺さないで晒しものにするだけだ。あんたらと何も変わらないよ」

イーグルは、ダーイッシュの広報メンバーに、ツイッターで連絡を取った。

しようと思えば、スマホ、無線、何でも交信できると言えば出来るんだろう。

ダーイッシュは、とりあえず、ツイターを宣伝に使ったり、人員を公然と募集していて、

システム上、誰かのツイッターへのアクセスは誰にでも可能だ。

ダーイッシュの各メンバーのツイターには、目ぼしい言語が揃っている。アラビア語や英語は盛んで、日本語はかなり怪しい。

ただ、ツイターは交信内容が、不特定多数の人に見えてしまうのが、それ以外の通信手段にはないリスクだった。

だからこれは結局、ショーの一環だ。

「ただ、俺たちはそこまで神経病んでいないんだよ。見世物にして喜ぶほどには。

だから、2、3日、晒してみて、人々の反応を見るだけだよ。

そのあとは、どうしようか。

上手いメシや良い女のフルコースで歓待してやろうか。

あんたはアメリカに洗脳された元兵士が欲しいか?」

「ダーイッシュはそんなもので洗脳されない。捕虜にされるようなクズはどうか知らないが」

「なら、あんたんところに送り返しても、殺されるだけなのか」

「かも知れない。そいつの、態度次第だ」

[それは困った。捕虜はだいたい慣習からいって、用事が済んだら、祖国へ送り帰すんだが、死ぬのが分かって戻すっていうのも、気分の良くない話だよ。

ダーイッシュの猿を、しばらく晒してしまえば、人々は、その猿に親近感を持つ。助けろとか言い出す奴が必ず出てくる」

 

 

 

 

身辺でテロでも起きない限り、遠い僻地の、アラビア半島で起きている紛争に興味を持つ人は少ない。

凄惨なテロや人質事件が起こるたびに、有志連合はダーイッシュと真面目に交戦していない、という非難が出る。

かといって全面交戦して自軍の兵士が毀損されることにも、非難が沸き起こるから、

原爆でも落とせということになるが、それで民間人の被害がでれば、やっぱり非難が沸き起こるのは目に見えていた。

 

 

 


「見ろよ。あんたらの、飼い主は、俺らの捕虜を、猿としてさらし者にするんだそうだ」

ダーイッシュの指した画面は、英語で書いてあったから、ハーケン・クロイツたちには分かったが、麻原には、良く読めなかった。

耳から聞いた言葉は覚えやすいが、慣れない文字の速読は難しい。

この内容を、アラビア語で書いたら不味い、とイーグルは判断したようだ。

まるでアメリカがアラブ人を弄んでいるようだから。

イーグルは、自分のところのアラブ人の捕虜を殺されるのに送り返すのは気が引けるから、良かったら穏健派のあんたたちが引き取らないか、みたいな打診をアラブ方面の人々にして、誤魔化していた。

アラブ圏の人々の、ダーイッシュに対するイメージはいろいろだった。

ひどい野蛮人から、十字軍を憎む、気持ちは分からないでもないよ、まで。


「アメリカは捕虜を生け捕った。

で、俺らにも捕虜がいるっていう寸法だよ。

それで俺らは、お前らを、どうすればいいと思う?」

広報の問いかけに、モヒカンの奴が答えた。

「さあ。俺の知ったことじゃない。

俺らは首斬り動画になって、ネット上を永久に徘徊するかもしれない。

あんたらのメンバーになって、前線で、祖国ってやつと、戦うことになるかもしれない。

神のみ心のままに、だ。

あんたのいうところのインシャー・アラーってやつだよ」

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