ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

bananaman 10


「とんだ目にあったね」

「いいです。私は毛が抜けただけです」

シェンは空気が読めないから、当たり前のように市長の逆鱗に触れた。市長の顔は、ウィスキーを飲んだときみたいに、真っ赤になった。

「あんたの毛が抜けただけで済んだら、世話はないんだよ。

あんたの失脚は、この地域を、まるごと吹き飛ばしてくれた。

税収は落ちるわ、雇用は無くなるわで、私はお終いだ」

「本当に申し訳ありません」

シェンが頭を下げた。本当にハゲたな、こいつ、と市長は思った。

「中国は、欧州の会社のCEOに、中国人を頂くようなことに、こだわっている。

そういう山猿は、どこにでもいるから、仕方がない。

オリンピックのメダルを競うのと似た心理だ。

大したことじゃない。

それで、この地域から、中国は無税で製品を輸入していた。

互いの企業が、特権的な契約を結んでいた」

「でも、中国当局と、その契約を継続したいなら、

私の後任を、また中国の人にすればいいではないですか」

「私とあんたが、いつからブランデーを飲んでいると思っているんだね。

こういうことは、首を挿げ替えて終わりってわけにはいかない。

得体の知れない中国人を連れてきても、誰も納得しない」

「だったら、100人くらいの予備人員とつきあっておけばよかったのではないですか」

「体がいくつあっても足りないだろう。そんなことをやっていたら、欧州は中国人に占拠されるよ」

 

 

 

 


「エレンは、オシャレだけど、顔がマズイ」

エレンとクラーセンは、互いに交換したい情報があって、会うようになった。

しかし、唐突なディスリに、エレンは目が点になった。思えばこの女、何なのか。人をつけ回したり、父の仕事上のトラブルをチクりにきたり。

「中国では、よく八頭身のモデルとか使ってるじゃない。それも、整形の子よ。

あんなの、大多数の人には似合わないよ。アジアのイモにはイモのモデルが欲しい」

「クラーセンさんって、変な人ですね。立派なスーツを着て、面と向かってそういう人、珍しいですよ。

私の行ってる高校なんか、山猿の集まりかも知れませんが、それでもいないですよ。

あってチンク程度ですよ。ネオナチみたいな男子生徒の。

私を煽って失言させて、駄雑誌にでも流すつもりですか。シェンのDNAを継ぐアジアの猿娘とか言って」

「中国人向けファッション市場の、モデルにならないかって、スカウトしてるの。

欧州には中国人の小さな縫製工場がたくさんあって、それも過当競争よ。

昔オート・クチュールの下請けをやっていた、たくさんの白人たちが廃業した。彼らは雇用を求めているし、新しい市場を探しているの」

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