ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

Кури́льские острова́3

 

「今日はプーチンが視察にきます。
クリーンカジノキャンペーン」

選挙カーのようなものが、南クリル諸島を回っていた。

この地に漂う退廃は、プーチンの想像を上回っていると、彼らは一方的に推測していた。

もちろん、大統領が、ハハハ、良いところだな、と言ってくれる可能性はある。

彼なら、紛争地のグルジアや、原発事故の爪痕の生々しいチェルノブイリですら、ハハハ、良いところだな、と言ってくれるかもしれない。

彼にとっては、どこもかしこも愛すべき、ロシアの母なる大地だ。

何しろここはロシア領土おっと、日本と共同所有だとはいえ、一応、ロシアの領土だった。


クリーンカジノキャンペーンの日は、ドレスコードがあった。

原色のスーツは禁止、豹柄禁止、宝石類は控えめに。

これが環境団体の視察だと、ミンクやテンの毛皮が禁止になった。

何故、環境団体が視察に来るのかは、彼らにも謎だった。

この北方の地で頻繁に、毛皮動物の密猟が行われるからだろうか。

「コレに着替えてくれたら、割引しますよー」

道端には、人民服やアオキのスーツを売る露店が並んだ。

 

 


世界10000店舗を数える、トランプホテルのシベリア店には、ハッピーバースデー・ミスター・プレジデント!

という横断幕が掲げてあり、間欠泉的に、花火が上がった。

今日は別にプーチンの誕生日ではない。

コレは彼流に歓迎の意を示していた。

俺と会ったその日が、お前の誕生日だ。

 

 

 

「そういうの、プーチンは喜ばないよ」

カジノのスタッフは、マフィアが無理を言い出して、面倒臭いときはプーチンの名前を出した。

「すぐプーチンっていうのやめろよ」
「いや彼は喜んでるよ。
彼は人々の口の端々に上がりたがっている。

彼はトランプと同類なんだ。
よくしゃべるのがトランプで、澄ましてるのがプーチンだ」

「そのタワゴトを録音して、クレムリンに送ってやるよ」
「俺は褒めたんだよ。アメリカのGDPはロシアの10倍以上、ここは資本主義から上がりを頂こうっていう施設だ」


クリル諸島北方領土には、あらゆる無理難題を吹っ掛ける客がいた。

あそこにいるミニスカートの女を俺の部屋に呼べとか、負けた掛け金を返せとか。

ミニスカートの女は、だいたい恰幅の良い男を連れている。そいつを張り倒して連れて来いってことだ。

ここには退役警官上がりなど、ボディーガードもいた。

プーチンの威を借りるのは、退廃だし、妥当ともいえた。結局、一番手っ取り早い。流血沙汰は、カジノの評判を落とす。

そのせいか、ここの上がりの、かなりの部分が、プーチンへ行った。

もちろんプーチン個人ではなく、彼が代表を務めるロシア政府へ。

当地は、ロシアの領土でもありでもあり日本の領土でもある、という名目だが、7:3でロシアの方に税収が入る取り決めだ。

というのを、あるとき誰かが副支配人に聞いた。日本では、あまり大声では言えない。

その代り、建築や通信設備などのほとんどは、日本の業者が施行したという。メンテナンスも日本人だった。何ソレ、ウンコ?いや、アリとキリギリスを思い出せ、云々。そもそも、噂だしソレ。

 

 

 

 

パチンコの何がそんなにウケたのか分からない。

パチンコは戦後の日本を席巻し、

朝鮮系パチンコ経営者の仕送りするパチンコマネーは、北朝鮮内に100発以上存在すると言われる、テポドンの資金源になったという悪評が立ち、

周辺国に挑発的なミサイルや軍事衛星が何発も上がり、

台湾や朝鮮では行政の禁止命令が出た。

その威力にあやかって、

パチンコのパチモンみたいなものが、ここには設置してあり、ロシアと日本の合弁事業だった。

ロシアの建築デザイン会社が悪乗りして、建物にテポドンのモチーフを多用したので、

マルハンやワールドなど、朝鮮系のパチンコ企業は席を蹴った。が、彼らは金に物を言わせて、隣の敷地にシャレで金正日仕様のパチンコ屋を建てた。

金正日型のバルーンに、オマケで北朝鮮資料館、中国共産党の出世チキチキレース。

さあ、お客様、本日も、ジャンジャンバリバリお出しください。ジャンジャンバリバリ、ジャンジャンバリバリお出しください。

 

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