ちきうアネクドート

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ヘタレに過労死リスクあり2


国策捜査とか、昔からあるよ。何、いちいちキレてるの。お前、何歳なの。ライブドア事件とかムネオとか覚えてないの」

労基の捜査官は、D通1のクレームに能面で答えた。往生際の悪い企業は多い。資料を隠したり、どこもやっていると開き直ったり。

霞が関だって、過労死あったり、除雪や地域おこしのボランティアで0円で募集して、反省の色がないじゃないですか。

二枚舌集団に偉そうにされるのも限界です」

D通によくいるタイプで、声がデカイ。D通1に、部屋中の視線が集中した。

裁判員制度で、やって下さい。殺人罪で、経営陣を訴えて下さい」

オチでドッてところ。つーか、社長にそれ、許可取ったのか。

こいつはクビか。俺もクビか。今回のことで、いくつのクビが飛ぶのか。

今の社長は、もうそろそろ辞めたいなって顔してたような気がする。新年の挨拶で。

孫が生まれてどうとか、話が三途の川の方向へ飛んでいた。

「24時間働きたい人種が、世の中には生息しています。例えば、あなたみたいに」

D通1は、目の前の捜査官を指差した。

「うちは、ホワイトですよ。普段はそんな仕事ないし、忙しいときは忙しいけど。お宅みたいな違反者が湧いてくると、多忙でブラックになりますが」

「何がホワイトですか。元はと言えば、ウチが匍匐前進でタイムカード誤魔化してるのを、お宅が見つけられなかったのが、原因です。

アレが最初からバレていたら、死者は出なかった」

「労基は何でも見通す、神の目なんか持ってません。通報もなしに動くのは難しいよ。聞き分けの悪い人たちですね」

D通2が悪乗りしてきた。
コレは一種のパーティーだ。労基にガサをかけられることですら。
「ホワイト自慢の労基、サボリで発生した過労死の責任を熨斗付け、他人をブラック企業と断罪!こんな大型広告打ちたいです」

 

 

 

「部長にホニャララでハニャララで、死にたい」

「まつりは、利用されてるよ。死ぬとかやめろ。逆に殺せ。本当に、死ねとか、護身法を覚えた方が良いよ」

「それ、護身になってないから。クビになるだけ」

「空手とか習いなよ。私、空手5段なんですけど、ぜひベットで練習させてください。部長はクビしめても死ななそうだから、やらせて下さい、とか言いなよ」

「忙しくて、そんな暇ないよ」

 

 

 


経営陣は、どうせ、スキャンダルの責任を取って辞めるだろう。

法螺とは言え、D通1の案では、殺人罪の前科が付く。痛い。が、どうせ寿命もあと20年あるかどうかというオッサン、過労が祟って大した長生きはしない。

決まったわけではない、裁判員次第だ。

世の中、仕事中毒者もいれば、労働法ポリスもいる。派手に意見が食い違い、炎上する要素は揃っていた。パーティー好きのパリピの勘が疼いた。

D通1はさっそく、その妄想を他人にぶつけに行った。

「経営陣を殺人罪で裁き、裁判員裁判でショーにするとか。国会議員にでもならないと、それ無理だよ」

法務1は、D通1の無理難題が面倒臭かった。ウェーイな法務、なんてのは存在しない。法律家は四角四面の静かな世界を好んだ。

ノリで世の中をひっかきまわすパリピと話すのは面倒臭い。

あのですよ、殺人罪で人を訴えられるのは、当局だけなんですよ。私人の遺族には無理だし、同僚にも無理です。

法律のキホンのキ、そんなの、D通のパリピは知らない。

「具体的にどう無理なんですか」

ホラ来た、ゴリオシ。

「日本で、前例の無いことは、あまり起こらないですよ。霞が関の偉い人に行脚して聞いてきてください」

追い払い作戦、プランA。

「何その無能アピール。俺らは、アナタを、何の為に雇ってるの」

パワハラ返しか。では、プランB。

「私たちはプレイヤー、霞が関と永田町がゲームクリエイターです。
プレイヤーは限定的な知識しか持ってません。前例のないケースなんか分かるはずないでしょう」

ゲームね、フーン。目の前のD通1の目がキラキラした。

あーあ、追い払うつもりが、逆に闘志を火につけてしまった。知るか。

っていうか、ソレは事実だ。立法権は永田町にしかない。その下書きと、出来た法律の運営をしているのは、霞が関だ。

多くの社員が、労基のガサ入れにイライラしていた。ザマない。ノリで全てが通ると思うなよ。

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