ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

ヘタレに過労死リスクあり3

 


「闘争で、かつ、パーティーだ。ビルボードの1位を目指すみたいな気持で行こう」
「殺人にして裁判員裁判でショーにするかよ。お前、経営陣に恨みでもあるの」
「無い奴がいるの」
「新年会の挨拶で言ってた社長の孫とか、殺人犯の一家として生きていくことになるよ」
「だから俺たちは、日本経済、最前線の24時間働けるファイターとして、無罪を取りに行く。表向き、経営陣を守る姿勢を取る。

だけど過重労働は絶対悪だって奴らも巻き込んで、ショーにして偉そうな労基の鼻を明かす」


嫌がらせ体質の役所のガサ入れが癇に障ったのか、見せしめが癇に障ったのかは、不明だ。が、スイッチの入った彼らは止められなかった。

失った同僚への義侠心と憤懣と、パリピとクリエイター気質が、変な方向へ融合したのだ。

広告業でビジネス・エリートとつきあいがあり、中途半端に専門知識があるのがタチが悪かった。

 

「労基は仕事してない。俺らが、こんだけパラハラとか受けてたことに気が付かない」
家庭内暴力とか、だいたいバレないよ。1件1件、24時間監視してたら、役所パンクしますよ」
「中小の通報は多いと思う。2chによく通報しましたって書いてあるし」
「俺ら通報しなかったよ」
「パーティーは止まらないだろ。夜が明けるまで」
「大手の内部告発って怖いよ、勇者だよ。中小なら、どうせクソだし、辞めるついでに潰して行くけど、
大手だと、今の優良待遇も吹っ飛ぶし、次に行きたくても、内部告発者なんて、雇ってくれない」

内部告発者保護法とかいうのは、ザルなのか。俺たちは、どうして通報しなかったのか。
違法と知りつつ、シラフでタイムカードの前を匍匐前進していたのは何故か。
楽しかったのか、頭が可笑しかったのか。

 

日本の大手企業のメンバーの多くが体育会系で、昔から、ギリギリまで肉体を追い込むことに慣れていた。

試合で最大のパフォーマンスを発揮する、体の追い込み方には作法があった。

1940年代頃の日本人は、ヒロポンを打って特攻隊に行っていた。

1960年代頃の部活は、兎跳びやタイヤ引きなどの無意味な練習が多く、脱水症状で死ぬ生徒がいた。

徐々に、科学的トレーニングが普及した。

このプロセスが死ぬほど遅れているのが、日本の労働界という噂。

だからまつりさんの死は、炎上した。

 

 

 

 

 


D通に、恐らく組合なるものは存在しないんだろう。
応募者多過ぎて、イヤなら辞めれば、ハイ、次、という業界だ。

左掛かった人は生息していない。

と多くの人が思わってるが、一応あるらしい、人が死にそうでも、本当に死んでも、だんまりを決め込む、意味のない組合だった。

が、デモとかしてもらって、労基からこっちに客を奪わないと。

「何か世間の左翼の喜びそうなことって何」
「組合利権」
「役員でなくてメンバーだよ」
「短時間で給料沢山もらうこと」
「だったら俺らが沢山働いたほうが、彼らの仕事が減るっていうことにならないか」
「人件費カット競争になって、それは成り立たないよ」

「労働パスポートをブラックとホワイト出せばいいじゃないですか。
ブラックの人はブラックで、ホワイトの人はホワイトで。共存共栄を狙う」

「ホワイトパスポート持ってる人が多くて、ブラック求人ばかり出てる状態になるよ」
「でも人来なければ潰れるから、ブラックは自然淘汰されて、ホワイトでも経営がなりたつリーンな企業が増える好循環」

「一目で見分けがつくのは便利だよ。

日本は和気あいあいとした職場です、みたいな無意味な募集広告が多いし、
残業ありますか、とか聞いただけで面接落とすクソ文化だし」

「アレは何か、それなりに、味のある経験じゃないか?面接で、変な奴に当たったり」
「マトモな情報交換の成り立たないクソ面接。それも10件くらいならいいけど、100件とかなると、生活費とか続かないし、公害だと思う」

 

 


「ソイツ、殺すなら私を呼んでいいよ。パワハラ・オッサンをハメル罠とか作るの面白いよ、仲間を集めよう」

高級酒場でクダを巻く、まつりの目の前の相手は、自分より1つクラスが下の企業へ就職した旧友だ。

キャリアや仕事へのテンションが違うくらいに思っていた。だけど、すごく良い人、こんな人は会社にいない。

大企業には、権力志向の嫌な奴が集まる傾向があるのかもしれない。もしかしたら。

そう、私みたいな奴。私はエリート志向だ。分かっていた。だから代償にキツイプレッシャーを受けている。

地元一の優等生のまつりが、受験時代から乗ってきたファスト・レーン、今更降りるなんて選択肢は無い。

「徹夜明けで目が赤いの、困るよ。こっちもテンション下がるから、何とかして」
「人から物を教わるのに、代償が要るのは、分かるよね」

代償、つまり一晩相手をすること。どうしようもないことばかりだった。神経ばかりがすり減っていく。

だけど、だから?

セクハラ野郎に囲まれて座るこの席は、22年掛けて射止めたプラチナ・チケットだ。D通を止めたくない。私は全てのプライドを掛けてここまでたどり着いた。

彼女の、そのプライドは徐々に侵食された。正気でいなければ、気合を入れなければ。

周囲の人々は、あからさまなパワハラを止めるでもなく、こんなことは、よくあるよ、という顔をしている。よくあるんだから、彼らは平気なんだ。

私にも平気なんだ。ついていけないなら、負け犬ってことだ。

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