ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

AIIB丝绸之路=印度=铁路4

 

「ナジムは、最近組合活動、してないじゃん」

「サンジャイは、僕がテロリスト扱いされたって、知ってるだろ」

サストリ・サンジャイはアーメド・ナジムの側に座った。彼らは、学生時代からの知り合いだ。

サストリは地方のいいところの坊ちゃんで、アーメドはバングラディッシュ移民の成績優秀者。

サストリは、宮殿みたいなところに住んでいて、アーメドは擦り切れた服で、彼の家へ招かれるのが恥ずかしかった。

そしてサストリは、アーメドの子供の使いみたいな組合活動の、仲間だった。

「俺は、この会社が飛んでもいいと思ってる。

こんなクロックタイマーみたいな鉄道のシステムは、俺たちインド人の性には合わない」

アーメドは驚いてサストリの顔を見つめた。

2人は昼休みに休憩室でケータリングの弁当を食べるところだった。立ち上がってくるスパイス料理の臭い。電車の入ってくる規則的な音と、乗客のざわめきが外から聞こえてくる。

「おっと、お前は違うのか。じゃあ、これは忘れて良いよ。

僕の家では、悠久の時が流れていたんだ。

僕は、いつも、かしずかれる立場だった。こんなに、忙しく立ち回ったことなんかない。

親父は、堅い稼ぎを見つけるべきだって言った。

あの屋敷だって、いつか抵当に取られてしまうかもしれないと。

僕は、この流れについていけないだけかもしれない」

 

 

 

 

「俺はお前が、オランダで大麻オムレツを食ってるところを、救ってやったよね」

「ただの若気の至りじゃないですか。飲んだくれて、行き倒れてたわけじゃないですよ。

大麻オムレツくらい、食ったことの無い奴は、人生の諸局面において、精神の均衡を保てません」

「お前の警備員姿が板についてるのを見て、父さんは嬉しいよ」

「スコットニーさんは、俺に何か頼みたいことがあるんでしょ。それも、かなりバツの悪い奴」

アディソンは、インターポール株式会社の本社の人に呼び出されたとき、リストラでもされるのかと思っていた。

インド=シルクロード鉄道の警備員は、ラクで、穴場だと言われていた。やることは、ただの警備員だし、競争率は高い。

アディソンは、イケメンで、根性なし。道端で寝ていても女の子が寄ってくるが、挙動不審で、クドこうとすると相手は逃げて行ってしまう。

柔道で、黒帯に近い資格を持っている。

この仕事はピッタリだった。

アディソンは、机越しにファイルを投げられた。

イギリスふうにめかしこんだインド紳士。イギリスでの逮捕歴。

 

 

 

サストリは、「レイプするなら、シルクロード=インド鉄道」という、車体に書かれたスプレーを特殊薬剤で落としていた。

シルクロード=インド鉄道は、顧客サービスや車両技術など、インドでは群を抜いていた。快く思わない、既存の鉄道関係者などは多い。

「性犯罪者の巣窟、中国から来た変態鉄道」

統括部長のファンは、近年勃興してきた、インドのイエロージャーナリズムの雑誌を事務所の机に叩きつけた。

彼らは、インドの権力中枢の、腐敗は書けない。腹いせに、叩けそうなものを片っ端から叩く。

「またですか。警備員、増やしますか」

「いくらなんでも、こんなくだらない動機でテロなんかしないだろうね」

普段物腰の穏やかなファンが、ピリピリしていた。

「インド人は、バカです。こんなことを言うのは心苦しいですが、インドには、昼間っからポルノ映画館に列を作っているような脳たりんが多い。

性犯罪者は次から次へと湧いてくるし、無理だと思うんですよ。対策費がいくらあっても足りません」

人事部長は、中国人のファンの手前、阿りなのか、自虐なのかよくわからないことを言った。

人事部長は、ポルノ映画館の前に列を作ったことくらいある、昔、仕事が無くて、クサクサしていたときに。でも性犯罪は、やってない。

そのくらいの自制心があるから、ここまで出世した。

「スラムにいる女性たちに、小銭を渡して、おとり捜査官をやってもらったら?

インターポールに給料を払うより、安上がりですよ」