ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

AIIB丝绸之路=印度=铁路7

 


「不審な行為をしてきた男性に、手錠をかけるだけでいいんですか」

スラムで集めた女性の1人が地元の言葉で聞いてきた。

コープラは、インターポール株式会社の、数少ない、インド人の女性警備員だ。トラブルを起こした乗客と、言葉が通じないときなどに、重宝した。

「それで、手錠を目印にして、降りた駅で捕まえるとか。うーん、難しいですね。ヒースさん、どうします?」

「そのまま放置してもいいんじゃないですか。

その手錠は、警察かどこかに行かないと、解除してもらえない。つまり、自首してもらうんです」

「インドの警察は、性犯罪くらいじゃ、取り合わないかもしれないけど、手錠を外すくらいはするかもしれないですね」

「それで性犯罪者が減る」
「まあ、そんな感じ」

「50ペソですか」

女性の1人が聞いてきた。
「そうです」

「100ペソになりませんか」

「50ペソです、無理なら、違う人を集めますから」

女性たちは、黙った。

車両に乗り込む為の、清潔な洋服やサリーを用意した。これ以上、そんなに高い給料は出せない。

女性たちは、身に着けた新しい衣服の臭いをかいだり、手錠をいじったりしていた。


「間違えて、手錠を掛けたらどうするの」

「そういうリスクはあるけど、さすがに2回も3回も引っかかる人は、偶然じゃないですよ」

 

 

 

 


「今ココが、組合がどうのとかでモメてるの、知ってる?

私たちも便乗して、昇給とか叫ぶべきかしら」

女性たちを駅に案内しながら、ヒースはコープラに話しかけた。

「組合活動。何か、懐かしい響きよ。インドで、ソ連が幅を利かせていた時代の。

あの頃は、市役所に一週間通っても、住人票1つ取れなかったのよ。

彼らは、机の前で、一日中寝てても、沢山のお金が貰えた」

「フーン、それって、オイシイじゃん」」

「一部の人だけよ、そんなオイシイ地位にあずかれるのは。

それも、難しい試験に通ったとか、仕事がデキルとかじゃないのよ。

市議の、誰と知り合いだったとか。

一度甘い汁を吸うことを覚えた人たちが、雇用を守れと叫んで、政治が腐敗していくの。

みんなして、お偉い方のケツを舐めて、つまらない人生じゃない」

「やっぱり、私たちみたいに、派遣社員の方が、いいのかしらね」

「私は、この企業がなければ、私には、カースト制度の元で、つまらない男に嫁ぐ人生が待っていた。

こっちが大金を払って男の家に引き取ってもらい、姑に子供を産めとか、イビられる毎日よ。

この企業は、私の希望なのよ」

コープラは、しゃべり過ぎたと思って、チラっとヒースを見た。ヒースは、バツの悪そうな顔をしていた。

インドを旅する、恵まれた白人。

それに、今のは後ろの人たちに丸聞こえだ。

スラムの女性住人は、家庭内暴力などから、逃げてきた人が大半だという。

私たちは、彼女たちに50ペソで仕事を上げた。路上でも生活するチャンスを上げた。何が悪い?

 

 

 

サルマは、大衆車両の中に、潜り込んだ。

新しい車両なのに、汗と土埃の臭いがひどい。

サルマは、人の群れをかき分けて中へ進んだ。

ナジームとの追跡劇は目を引いていたから、そのうち他の鉄道員が追いかけてくるのは確実だった。

他の人が追ってこれないように、人ごみの中に紛れ込む。

コレを誰かに売って、一儲けして会社を辞めようか。

サルマは、この仕事が嫌いではなかったが、かねてから客から酒臭いなどのクレームがあり、クビになる気配があった。先手必勝。

サルマは、誰が一番、このメモリに、高値を付けそうか、脳内でリストにした。

1、統括部長
1、クレーマーのエセ紳士
1、マスコミ
1、中国人
1、イギリス人

元々の所有者、エセ紳士は駄目だ。奴はしつこいクレーマーだ。ロクなことにならない。

インドのマスコミは信頼できない。

ヒースのピー辺りに渡そうか。西側のクリーンなメディア。

でもこのメモリは、元はイギリスの情報だ。

西側のメディアはむしろ揉み消して、知らないフリをするかもしれない。

イギリスは300年前からそういう態度だ。

カシミールは、彼らが意図的に不安定な状態で、インドとバングラディシュの国境に残した。

統括部長のファンは、もちろん人民解放軍と癒着しているだろう。中国人なんだから。

それでこのデータは、やっぱり抹殺される。

俺は金を貰えるどころか、犯罪者として警察に突き出される。

ナジームも面倒くさいデータをよこしてくれた。

何が、金になる、だ。あの組合カブレの坊ちゃんは、金のことを何もわかっていない。クソが。

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