ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

1984(女)4


女児は、アヤの部屋で、黙って買ってきたコンビニの弁当を食べると、コタツでテレビを見ていた。

「あーあ、誘拐だな」

「誘拐犯にされくないなら、帰る?ここにいると、通報されたときに、共謀したとか言われるよ」

「声かけようよっていったの私だし。何か心配じゃん」

「家、帰る気ないの」
「無い」
「無いのかよ。お父さんかお母さん、怖いの?」
「怖いよ」
児童相談所案件なのか」
「とりあえず通報しておこうよ。保護っていう名目が立つように」
「だけど通報しても、だいたい家に返されちゃうんでしょ」
「なら、お前の子供にするのかよ」
「それも無理だね。気の毒すぎる。気が滅入る」

 

 

アヤが執拗に泣いているので、真帆はもらい泣きしそうになってイラついた。

「泣くなよ。

この子、図々しく寝てるじゃん。

世の中の人間は、お前ほど繊細じゃないのかもしれないよ。

この子は、親にボコられながら、ヤンキーになって生きていくかもしれない」

「親なんか、どうでもいいよ。その女に出産を強いた奴を殺したいんだよ。

クソな女が子供を生まなければ生きていけない、クソな世の中の仕組みをどうにかしたい」

 

 

「結婚おめでとう、っていうの?」

「目出度くは無い。ただの侵入計画だから。テロを仕掛ける為の」

「そいつ、災難だね。ウケる」

「相手の家が、ロクでなしなことはチェック済みだから良いよ。

初対面で、子供産めるの、みたいな図々しい物言いとか、感じの悪さとか。絞殺してもお釣りがきそう」

「マジでその計画発動するの?

今から事件へのコメント考えておくべき?何か言って欲しい事と、言って欲しくないことってある?

友達がテロで死ぬって悲しくない?」

「でも私が特攻やって、世間に天誅を加えれば、他の2人はセクハラは受けなくて済むじゃん。他の子供が欲しくない女が、セクハラ受けなくて済むじゃん」

 

 

 


「子供、要らないんですけど」

「あんたは何もしないで生きてるからだよ」

「他の何もしないで、生きてる人はどうなんですか?」

「他の?」

「老人と失業者です」

 

真帆たちはかれこれ、5時間以上グランドを走り続けていた。

ココは失業者、日本神党(その実態は、中国共産党の日本支部といったところ)に、反抗的な人間などが集められ、常に定員をオーバーしていた。

ハローワークで指定された仕事を断れば兵役だ。

反抗した者、秩序を乱した者などは無条件にリンチされた。上官が指示しなくても、それは勝手に起こった。

こううときに、正論を吐いたり、くだらない疑問を呈する人間は邪魔なだけだ。

真帆は元々あまり体力がないので過労で発熱し、そのまま風邪を悪化させて死んだ。

 

広告を非表示にする