すみま千円(漱石のほう)

レポート置き場かな?宜しくお願いします。

低能ビジネス5

 

ロリコン犯罪者は、子供が高そうだから攫うんだって。いかにも大切にされてるから、大切なんだろうっていう」

フーン、難しいこと知ってるね、っていう顔で彼らはオタクAを見た。

ロリコン犯罪者って誰?俺らのことか。

「スイーツがダイヤモンドに執着するのと同じだよ。あんなの元素は炭素と同じなのに」

そうなのか、高校化学か、ソレ。

 

「男は権威に弱い。名刺に何とか省役人とか書いてあったら、ソイツがどんなクソだろうと、まず頭が上がらない」

オタクBは、財布からカードキャプチャーサクラを出して、目の前に並べた。コレが俺の名刺だろ?そう、弱いカードだ。

プログラマは少し呆れた。彼はまんだらけか何かのアルバイトだっけ。

価値観の違いか。

そうか?俺たちに、そんな違いがあるか?

無いからこうやって、ダベってんだろ。

「子供のどこがいいの?電車でギャン泣きしたり、煩いだろ」

「お前には女が寄ってこないだろ」

「近所の子供も寄ってこないよ」

「女が寄ってこない奴には、子供も寄ってこないよ」

「そうか?PTAが俺たちのことを不審者とかディスってるせいだろ。

まっとうな社会が、何も犯罪をやってない奴にたいして、いちいち不審者とそうでない奴を区別するか?」

ロリコングッズ、ゲームオタク。俺たちは悪い人間じゃない、少し気が弱いだけだ。

「底辺が泥水を啜ってることがバレるとヤバイからだよ。

その辺の子供が、僕はこのまま行ったら、こうなっちゃうんじゃないかっていう、暗い予感は排除したい」

カードキャプチャーサクラから泥水へ。

「ふんなら攫うくらいしか利用価値はないよ。そこまで言われたら」

「お前は泥水の味を、子供に知ってもらいたいの」

「だけど現に存在する俺たちを、無いことにされるのは痛いだろ。戦争やろうというかいうバカが出現したり」

「戦場は究極の能力主義だよ。底辺に押し込まれてる奴が勝てる場所じゃない」

「だから特攻隊人気なんだろう。勝てない作戦だからいいんだよ。能力次第で死んだり生き残ったりなんかしない」

「狂人だな」

オタクAは、こんなブヒオタより、可愛い女の子に生まれたかった。もう、強いとか、弱いとか、いちいち判定されない、フィールドで生きていたい。


ヤマダ夫が帰宅すると、息子のヤマオが逃げて行った。

「何だよ。俺は泥水を啜っているよ、お前の為に」

とか言えるわけがない。だけど、ヤマオが泥水を啜らない保証がどこにあるか。

ヤマオは、俺の子供だから、大して能力差が無い。

そうやって、ピリピリしている山田夫にビビって、ヤマオは避けて行った。

「おかえりなさい」すらない。

何か言ったら殴られそう、と思ってる感じ。

ヤマダ夫は会社で怖くない人で通っていた。それにヤマダ夫は、子供を殴るまで、神経がやられているわけじゃなかった。

リビングで妻がヤマダ婆さんの世話をしていた。

ヤマダ婆さんは、痴呆を発症し、戦力になるというより邪魔だった。

ヤマダ夫はやっぱり親を殺すほど神経はやられていないし、どうしようもない。

ヤマダ夫は息子に逃げられて凹み、救いを求めて、妻に話しかけた。

ヤマダ妻は、PTAの役人を押し付けられて凹んでいた。

「イヤミでPTAの行事に婆さんを連れていけばいい。向こうも諦めるよ」

 


彼らは、公的保護の「楽園」にいた。

ボケ老人には既に、世代移転型年金の負担や、高度経済成長期のボーナス・ポイント云々を理解する頭がない。

生徒たちのルートがかなりの確率で汚水に続いていることは、秘密だった。が、人目を忍んで、コッソリ未来の迷路を、インターネッツなんかで下調べする子供は増えていた。

ただそれも、自宅にパソコンがあったり、情報の文字列を理解できる高知能の子供に限られたことだった。現行、低能の居場所は少ない。