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ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

Rio Grande1

 


入管のエイムズは、唐突に食肉工場へ踏み込んできて、事務室でハックマンを問い詰めた。ハックマンには寝耳に水だ。

「オイオイ、あんたは俺たちの窮状を知らないわけじゃないだろう。

あんたらだって、キツイっていう噂だ。

州は保安官の給料を大分ケチってる。

あんたらは、人手が足りなくて、忙しいはずだ。クソな仕事はしなくていい。

こんなところにまで追い込みかけてきて、摘発なんかしない取り決めじゃないか」

「上の方針が変わったんだよ。不法移民は全員追い出す。

こいつは追放、こいつは目こぼし、そんなグレーゾーンは作らない。

彼らは目こぼしを求めて、次から次へと押し寄せてくる。キリがないんだよ」

「俺んところは、例外だ。それでいいじゃないか。相応の口止め料だって払ってきただろう。このタカリ野郎が。

お前のこともチクってやろうか。グレーゾーンは作らない、だ」

エイムズは渋い顔をした。

上の方針は大統領選の行方で、コロコロ変わる。その引き継ぎで、いつも現場にしわ寄せがきた。

奴らの給料が時給で200ペソなら、正規の労働者は600ペソだ。

その差額はあんたらが払ってくれるのか」

 

 

 

 

ハックマンはウィルビーの来訪の最中、イライラして煙草を吸いまくり、

ウィルビーも副流煙にウンザリしたのか、ついに自分のポケットから煙草を取りだして、火をつけた。


「あんたもいいかげん、その自転車操業を改める時期に来てるんだよ。不法移民を使わないと回らない企業はクソだ」

「誰のおかげで、ボンクラどもが休日にバーベキューしてられると思ってるんだ。

あいつらは、本当なら肉なんか食えない貧乏人だ。上が彼らを甘やかすから、俺たちがしわ寄せを食ってる。

俺だって一日16時間働き通しだ。

不法移民たちと同じ時間か、それ以上だ。仕事が終わったら帳簿を付けたり、やることがあるし。

決して彼らだけを酷使してるんじゃない。この業界は、キツイ、それだけだ」

ハックマンは、二日連続で役人に踏み込まれたことに動揺していた。どういう風の吹き回しか。ハックマンは、テレビのニュースを見ない。見る暇が無い。

「それは、あんたの自惚れだよ。だからお前は16時間働いて、ドブネズミみたいな生活をし、司直の眼を盗んで不法行為をするハメになる。

あんたが廃業すれば、隣の工場主はラクになるさ。あんたは自分が気が付かないうちに、際限のない安売り競争に巻き込まれてるんだよ。

それに、不法移民なんか使わなくても、立派にやってるところもある。

アメリカ生まれの労働者を雇用している愛国的企業だよ。クリスタルクリアに、アメリカ生まれの労働者だ。

今度の政権は、そういうのを応援してる。

このままだと、アンタは売国奴に仕訳けされる」

「そんな金はどこからひねり出せばいいんだよ。

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