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2:忙しいので書き殴りです、後で直します(すまん)

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

Rio Grande10


ホルヘはこのアルバイトを壁にレンガを積んだり、鉄筋を組む作業だと思っていた

応募者の通しをする会場になった広い倉庫には、白人、黒人、メキシコ人、アジア人、あらゆる人種が集まっていた。

応募者の中のメキシコ人は、違う列へより分けられた。

彼らは倉庫の外へ出され、近くのテントへ連れていかれた。

簡易テントの下でパイプ椅子に座った面接官がホルヘに聞いた。彼もメキシコ人で、スペイン語を話した。

「お前は、銃を扱えるか」
「以前、メキシコのマフィアに集められたときに、少しAK47とかを扱っただけです」

「アメリカのライフルとは違うな。この辺の、射撃場で訓練してから来い。講習を受ける金が無いなら、給料前借で、出してやっても良いい」

「銃を撃つのですか。壁を作るんではないのですか?」

「壁は作るよ、それは他の奴の仕事だよ。

お前には、リオグランデを渡ろうとする、ウェットバックに威嚇射撃をしてもらう。お前の同胞だ、当てるなよ。だけと全くアサッテの方向に飛ばされても相手はビビらない。

だからスレスレを撃ってビビらせるように、射撃場で腕前を上げてくるんだよ」

「間違って当ててしまったら、どうするんですか」

「当てるような奴は、クビだ。実際に当てたら、とんでもないことになる。どこかの法廷に引っ張り出されるだろうな。

相手が不法移民だろうが、何だろうが、人殺しは違法だ」

それって、白人がやりたくない仕事を、メキに押し付けてるだけじゃないかと、ホルヘは思った。

だけど不法移民の仕事っていうのは、ほとんどがその類だった。足を棒にしながら、延々と肉を解体したり、延々と皿洗いをしたり。

一晩寝たくらいでは取れないような疲れが残り、神経がスリ切れる。

ただ、これはちょっと、過激だ。

 

 

「オイオイ、メキかよ。俺らを撃つなよ。

お前らは電柱にリンチした死体をブル下げたり、やり過ぎだ」

射撃場のスタッフの、太った白人が、ホルヘにライフルを渡した。

「俺たちは、そういうのが嫌でここへ逃げて来たんです。それにそういうことをするのは、マフィアだけです。普通の人はやらない。

俺は、真面目に働くために、ここで訓練を受けるんです」

「そいつは朗報だ。あんたは体つきがしっかりしてるから、撃ったときの衝撃とかは、大丈夫そうだな。

慣れない奴は、腰抜かしたりするけど。コレを耳に詰めて。

あんたは銃を撃ったことはあるんだっけ?」

「AK47ならあります」

「何だよ。やっぱりヤバイ奴なんじゃないのか。人を撃ったりしたのか」

「メキシコは、まあ、一部の地域だけかもしれませんが、危ないところです。どうしても、自衛しないといけないこともあります。

俺は、アメリカにはそうなって欲しくない。

それで、リオグランデの対岸から、メキのウェットバックを追い返すアルバイトをすることになったんです」

「あれか、ヒランプの言っていた奴か。本当にやるんだな。俺はヒランプを愛してるよ」

 

 

 

 

精肉解体工場を畳んだハックマンは、リオグランデで壁を積んでいた。

時給800ペソ、悪くない。最低賃金より高い。

工場で不法に人を使っていたときは、

不法移民を追放すると宣言したヒランプはロクデナシだと呪ったが、こうなってみると彼を神々しく感じた。

仕事は、東の空が明るくなるまで始まらず、辺りが暗くなったら終了だ。

16時間も働きづめたった工場の生活がアホみたいに感じた。

時給800ペソが続けば、さほど悪い生活は待っていない。

ただの壁作りの人夫だが、仕事が終わると血まみれの手を洗って、そのまま誰もシーツを変えない汚いマットレスで寝ていた前よりマシだった。

別れた女房に連絡を取って、子供たちにも自慢したい。女房は多分、働いているから、ダブル・インカムだ。どうせロウワー・クラスではあるものの。

ただ、女房に新しい男がいなければの話だ。

もしそうだったら、たまにはお姉ちゃんのたくさんいる店にいって、ハメを外してもい。

ただ、もうメキシコ人は勘弁だ。

ハックマンは嫌な工場主だったかもしれないが、女に汚くなかった。

立場の弱い従業員を手籠めにしたり、妊娠させて追い出したりはしていなかった。

こうして一般人の立場になると、自分がメキたちを奴隷のように扱っていたことが、嫌なイメージとして頭にこびりついた。

ここに、メキの労働者が少ないのは朗報だ。そういえば、応募して行った面接会場で、メキだけ、違う列に並んでいたっけ。

リオグランデの作業場には、農場を継ぐのが嫌で街に出てきた青年、失業者、クラブ店員崩れ、失敗した商店主、いろんなのがいた。

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