ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

オアシスは少ない4

 

無帽は、道を尋ねられて、立ち止まったスキに、帽子を取られて逃げられ、その辺の通行人にスマホで写真を取られた。

「帽子のない警官」

その投稿は、インターネットで、たくさんのイイネを集めた。

何が面白いのか分からない。

この辺の住人は、四角四面の生活で、退屈してるから、つまらないことで笑う。

警察の備品をなくした無帽は、勤務評価が減点になり、罰金を払った。

「俺も歩いてると、後ろから子供にケリ入れられたりするよ。

体のデカい奴には、ケリいれても良いと思ってるのかね。

そういうのより、マシなんじゃないの。

それにしても、あいつら、俺らのこと何だと思ってるのかね」

「つまらないこと聞くなよ。お前は豆腐頭か?奴らにとっての俺たちなんて、小汚い鼠に決まってるだろ。

そんなことより、今年のボーナスは減るっていう噂だ。

原油価格が落ち込んだし、シケた年越しになるよ。

ただでさえこんな仕事をしていて、子供に文句を言われるのに、金が渋いんじゃ、かみさんもおかんむりだよ」

中庭は制服姿の警官で徐々に埋まって行き、辺りはざわめきが最高潮に達した。

警察署の朝礼は、朝の礼拝を兼ねた。各自、礼拝用の絨毯を持参していた。

お祈りを済ますと、署長のスピーチが始まった。

署長は、警察に勤めているが、イスラムの律法学者の資格を持っているという噂だ。


彼はまず、1人の警官が街中で帽子を取られ、インターネットにあげられて茶化されたというニュースを受けて、

そういう挑発行為に、いちいち目くじらを立てないように訓示した。

無帽は三回目の晒しに、腹が立った。彼は、目立つことが好きではない。

帽子野郎とか、くだらないあだ名がつくに決まっている。

ベールや帽子をつけていない素顔を晒すこと自体が、この地域では、微妙だった。


「私たちは、テクノロジーという、神から与えられた、過剰な力を手にしている。

あなたたちが持っているこの銃、この車は、アラブ人が作ったものではない。

私たちは、不浄だと言われても仕方がない。

私たちは、人々を守るのが使命だ」。

スピーチは、いつもの調子だ。

署長の話は、バリエーションが薄かった。だから警官たちは、安心して隣の同僚と、私語ができた。

 

 

 

イルハムの写メは人気を集めた。

イスラム圏の人は、肌を出さない。

ビーチにバカンスに行っても、黒づくめだ。

そのサイトは、元々、
コスメとか、ブルカの変わった巻きかたとか、

女性向けの大人しいサイトだった。

秘密は、花園から漏れ出した。


「あいつは女の間で、悪魔崇拝の対象になってる」

経済の安定しない、アラブ圏には、失業者が多い。

彼らは未婚で、女に縁がない。

女性徒の視線を集めるイルハムは、嫉妬の対象になった。

イルハムは学校の帰りに、街を歩いているところを、失業者の集団に襲われ、

トロール警官がくるまで小突き回された。

 

広告を非表示にする