ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

オアシスは少ない5


「人々を困らせるのが、僕チャンの趣味なのか。青二才」

イルハムは、留置所で一晩を過ごした。警察は、彼の取り扱いに困っていた。

人々の注目を集める人間は、慎重にあつかわなくてはいけない。

「あんたたちだって、大分、不浄だっていう話だよ」

「力を持つ者は、その力を人々の為に使わなくてはいけない。

坊主。それとも警察に入って、根性叩きなおすか?」

「警察寮では、裸でほっつきあるいていても、文句を言われないっていう噂だよ」

「お前は裸でほっつき歩ければいいってわけじゃ、ないんだろ。

女子に注目されたいんだろ」

「たしかに俺は、女子がいない世の中には、生きられないよ」

「残念ながら、お前みたいな奴は、その辺にゴマンといるよ。

女子が存在しない惑星なんて、ないし」

「その、俺みたいな奴は、どうなるの?」

公開処刑

捜査官は椅子によりかかって伸びをした。

イルハムも伸びをした。鉄格子から日が差して、2人の間に縞模様を作った。

 


「警官は、女子に人気があるの?」
「え、お前の回りではどうなの?」
捜査官は、思わず聞き返してしまった。警官は女性徒に人気があるのかどうか。
「いや、オッサンの回りではどうなのよ」
「だからお前の回りではどうなんだよ」
「オッサンが教えてくれたら、俺も教えてあげる」

警察は、市民の好感度調査なんかしない。黙ってその辺をウロつきまわるだけだ。必要悪なんだし、好かれているはずがない。

「俺は嫌われているような気がするけど、決定的に排除されてるってわけじゃないし。

俺たちは、そういうことは考えないようにしてるし」

捜査官は言葉を切り、イルハムの答えを待った。

「俺の回りだと、珍獣って感じだよ。

やっぱり、寮を裸でうろついてるとか、

犯人を射殺したときに、黒魔術で手を清めたとか」

捜査官はガッカリした。聞かなければよかった。

「この前、帽子の無い警官とかいうネタがあったじゃん。

ああいうの、俺らの間では流行るんだよ。

警官の帽子を取って逃げようとか。

でも言ってるだけで、やらない。

聖職者の帽子を取って逃げるのは、あるんだよ。

後から罰で正座とかさせられて、足が痛いから、俺はあんまりやらないけど。

でも、警官はマジで射殺される噂とかあるから、やらないよ。

だから、嫌われてるって感じでもなんじゃないの。

みんなオッサンたちのことが、気になってる。

好かれてるかどうかって言ったら微妙だけど」

 

 

 

 

 

金福は、金の仏像を盗まれ、次に来客が来た時にどうしようと思っていた。

あれは東アジアの商人から、友好の証として送られたものだ。

玄関か応接間に置いておかないといけない。

盗まれたんです、なんて、格好がつかない。

「返してくれるんですか、金の仏像」

金福は訪れた警察官たちを家に上げ、高そうな紅茶とスイーツで歓待した。

彼は警察を不浄扱いしない珍しい人種だ。

「僕たちが持っていてもしょうがないですし。

一方的に没収っていうのも、僕たち、そこまで権限ないですから

できれば、寄付とかしてくれると、ありがたいんですけど。

僕たちも、豪商を優遇してるとか、クレームがきますから」

「分かりました。来客の目につかないところに置いておきます」

寄付しないのかよ。警察官たちは肩をすくめた。まあ、しょうがない。

金が無いと何もできないし、彼は警察にもよく寄付をしている。文句は言えない。

何しろ彼は、警察を一番必要とする人種だ。金満家は、ならず者から狙われやすい。

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