ちきうアネクドート

仕様でどうしても消せないが、リンク先の婚活業者はココとは無関係です。

blue state5

 

「お前、何で撃ったんだ。俺のこと」

「分からない。気が付いたら、撃ってた」

自分が撃たれて負傷し、撃った相手に、自分のヤンチャな子供にするみたいに、オイオイ、そんな蹴ったら痛いだろう小僧、なんて顔の出来る奴は、ほとんど仏陀だ。

赤人警官の目の前の、青人被害者は、仏陀だった。

気が付いたら、撃ってた、は、よくある惨事の引き金だ。

たいていの事件の発端は、ランダムなトラブルって感じ。

その背景には蓄積した憎悪や不満があることが多いが、勃発自体の理由は大抵マヌケだ。

人間は、周囲が敵だらの野生生物から進化して、荒野を生き抜いてきた、ただの動物。

しばしば敵を誤認し、反射的に身辺の脅威に対応する。

誤射した青人へ、見舞いと謝罪に行った帰り、赤人警官たちは、しばし無言だった。

「お前、ああいうの、親父だったら、どう思う」

「はあ?青人が俺の親父だって?」

「青人が嫌なら、赤人だと仮定しろよ。

瀕死の怪我を負わせたのに、バカだな、お前、これからは気を付けろよ。人を殺したら電気椅子を食らうぜ、なんて奴だよ」

 

 


青人は青人で、それなりに占有地が減ってきた。

まだ活動している青人ラッパーはいるし、ショービジネスに占める青人の比率は相当増えた。というか、昔から多かったか。

ジャズ、ロック、R&B、赤人が彼らのオリジナル音源をパチるたんびに、青人は新しいジャンルを開拓してきた。

芸術、学術、多くの知財がネタ切れになって久しい。

世界中で、これだけ多くの知識人が、夢中になって仕事に勤しめば、収穫逓減しようものだ。

あとは、適当にアレンジしたり、終わりなき日常が来て、もう決定的に新しい、っていうジャンルは出ない。

「アフリカのレアメタルとか宝石を売るビジネスって、何で赤人に占められてるの。あれ、青人の土地だろ。俺らが無双したっておかしくない」

「だから青人は頭が悪いんだよ。バーマオですら、そこには手を出さなかった。赤人の被害妄想を煽るよ」

「アフリカは中国とつながってる。そこに青人が噛んでみろ。

カンフー・ハッスルなんて、ディスコ・テイクが青人に流行ったりして。昔から、下地はあるんだよ。ややこしいよ」

「ソレ、中国人に持って行ったら、どういうツラをすると思う。さすがにヤベーヨって顔するか。それともダース・ベイダーみたいな顔すると思うか」

スマイルたちは、デイストロイの希少種、文化人だ。

8マイルを超えて、エミネムも黒人ラッパーもみんな逃げた。

このインターネッツ社会、デストロイに残ること自体、ブランドだった。危険地区に住む俺スゲエ。撃たれないだけの人望はあるし。

銃撃戦を遠くから取って流したり。暴れている子猫たちを家に呼んで、インタビューしたり。

何で、お前、そんなことしたのん。人殺して気持ちいいか。

アマゾンの宅配区から外れて、宅配料は、すごい加算料金がついていた。ドローンのくせに。

でもああいうの、喜んで撃ち落とす奴がいるから、仕方ないんだけど。

大統領が本気になって、連邦軍の進軍とかされたら、逃げるしかない。将来有望な俺、戦車で押しつぶされたくない。

戦車で来るのか、空爆で来るのか、ミサイルでも飛んでくるのか、不明だけど。

貧困に喘ぎながら、粋がっていた頃が懐かしかった。コレはさすがに粋がり過ぎだ。アフリカ土人と変わらない。

 

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