ちきうアネクドート

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マフマフ2


嘘歴2010年。

中央アフリカのマフマフは、とくに植民地政策が過酷だった地域で、自治が根付かず、たびたび内戦や飢饉に襲われていた。

当初、棒のような手足と、栄養不足で膨れた腹、全てを諦めた目をしていた現地の人たち。

マキオは焼畑で荒地になったところへ、植林する作業に携わって3年ほど経った。マキオは、日本の地方の役所に飽きて退職し、青年協力隊に応募した。

アフリカで暮らすのは大変だ。コンビニも水道も何もない。

「役所を蹴るのは、勿体ないよ。どれだけの倍率だと思ってるんだよ。恩知らず」
「青年協力隊戻りは、就職できないよ」
「現地で死ぬの?マラリアとか大丈夫?」

同僚の多くは、何このマヌケという目だった。マキオの、アフリカと日本の地域を結びつける、幼い構想は、ひとまず萎み、心の奥にしまい込まれた。

が、その気持ちは、現地で働いているうちに、また大きくなった。

「木を植えると、木の根っこが、土を支えます。それで、土砂崩れが起こらなくなり、川が氾濫しにくくなります、家々が毎年流されりしなくなります」

相手は、分かったような、分からないような、っていう顔。でも分かった、という顔をする人もいた。

それから、植林した木を伐採して、外貨に換えることもできた。また、換金作物を植えることもある。

井戸を掘り、灌漑施設などを整え、恒常的な農業生産を上げるやり方もあった。

マキオたちは、地元の人々に技術を伝えながら、共に作業をした。

 

 

先進国の支援機関は、難民キャンプを中心に、子供たちへ流行病のワクチン接種などをしたが、そういう支援の届かない地域もあった。

マキオたちのいる山間の農村部はその1つで、乳幼児や人々の死を頻繁に見るのが辛い。

 


レアメタル鉱山が、統一反乱軍に占領された?」

ニホンノ首相の眉根に皺が寄った。心痛がまた1つ増えた。

マフマフの鉱山は、日本が珍しく開発権を手に入れたレアメタルの鉱山だった。

嘘歴2010年代、競い合ってアフリカへ黒い手を伸ばし、資源を奪い合うフェーズは過ぎていた。

端緒は、アメリカの市場で、それが凄惨な紛争をして掘り出した、現地人の血の染みついた鉱物ではないと証明する表示を、義務付けた為だ。

現地の人たちへ、正当な対価を払い、互いにプラスになる貿易をする、ビジネスの時代。

黒い手は引いたとはいえ、まだ治安が安定しないところも多い。

元々、成功を危ぶむ声も多かったが、日本は小資源国なのに、資源の獲得に、消極的というか、あまり成功したことがない。

それが、大国への依存から離れられない原因の1つでもあり、多くの要人がジレンマを感じていた。

現地の詳しい情報の欠如や、日本人にリスク・テイカーが少ないことなどが原因として挙げられたが、こうして手を出してみると、やはり危ない。

ライバルや危険要素は、あらゆるところにひしめいていた。

 

 


日本人の技術者集団は、現地の警察を雇っていたが、反政府軍との戦闘に巻き込まれ、死傷者が出て、正規軍と交渉したり、自衛隊の出動を検討したりした。

国連はこうした私利私益では出動しない。

「統一反乱軍は、恐らくフランスの企業に支援されています」

「フランスに抗議するのか」

「癒着の証拠なんか早々出ない。卑劣な言いがかりだと逆捩じを食らうのがオチだよ」

「バックに何がいるかはともかく、コレはマフマフの政変なんだろう。日本の出る幕はあるのか」

「私たちは、戦前の外地支配の反省から、経済支援に絞ってきました。難しいと思います」

 

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